日本人戦没者慰霊祭が8月15日、ルソン島ラグナ州のカリラヤ日本人戦没者慰霊園で行われました。
新型コロナウイルス感染症の影響によって、3年ぶりに開催された日本人戦没者慰霊祭。
カリラヤ日本人戦没者慰霊園は、“Japanese Memorial Garden”とも呼ばれており、厚生労働省がフィリピン政府に寄贈した庭園です。
当日は、フィリピン、日本両国の国家斉唱の後、黙祷が行われ、続いて追悼の言葉が述べられました。
閉会の辞では、駐フィリピン日本国大使の越川和彦氏が追悼の意を表しました。
「先の大戦では、ここフィリピンで日本人50万人、フィリピン人100万人を超える数多くの方々が尊い命を落とされました。このカリラヤの静寂な森にたたずむ比島戦没者の碑の前に立ちますと、当時、祖国に残された家族の安寧、祖国日本の行く末を思いながら、熾烈な戦いに傷つき、飢えや病に苦しんだ方々、再び祖国の地を踏むことができなかった同胞の方々の無念さはいかばかりであったかと改めて想わずにはいられません。全ての戦没者の方々の御霊に対し、謹んで追悼の意を表します」
また、現在の日本とフィリピンの友好関係についての言及も。
「終戦から77年の歳月が流れた今日、日本とフィリピンは、政治、安全保障、経済分野での協力関係や、人的交流を拡大させ、両国の信頼関係、友好関係はかつてないほど深まっております。また、最近フィリピン国内で実施された世論調査においては、日本を信頼できる国であると回答したフィリピン国民が約80%に上りました。このような両国関係を築けたことを戦没者の御霊に御報告できることは、戦後を託された我々日本人として誇りに思います」
第2次世界大戦時に激戦地となったフィリピン。
多くの犠牲者を出した戦争の歴史を決して忘れずに、平和を作り上げていかなくてはいけないとの気持ちを、新たにした時間でした。