新型コロナウイルス感染症の拡大をうけ、フィリピンから日本へ一時帰国される方なども増えています。そこで今回はフィリピンから日本へペットを輸出する際の手続きについてご紹介します!
フィリピンから日本へペット(犬、猫)を輸出する際は、マイクロチップによる個体識別、複数回の狂犬病予防注射、狂犬病抗体検査などについて必要事項が記載された輸出国政府機関発行の証明書が必要です。マイクロチップの装着などがすんでいない場合は、最低でも半年以上の準備時間がかかります。
また輸入条件を満たしていない場合は、日本の動物検疫所の係留施設で最長180日間の係留検査を受けることとなり、検査の結果、輸入が認められないケースも。
現在羽田空港の犬用・猫用係留施設が満室になっているため、注意が必要です。
※犬と猫のペット以外の輸出に関しては、日本の動物検疫所のHPをご確認ください。
1、マイクロチップの装着
まずは個体の識別のため、動物病院などで国際標準化機構(ISO)規格(11784, 11785)に合うマイクロチップを装着します。マイクロチップとは個々に唯一の識別番号が記録されたチップです。注射器のような挿入器で皮下に埋め込み、専用の読み取り機(リーダー)で番号を読み取ることにより個体識別が可能になります。
マニラの動物病院はこちらからご覧ください!
2、狂犬病予防注射(2回以上)
マイクロチップの埋め込み後、狂犬病予防注射を2回以上接種します。1回目の狂犬病予防注射は生後91日齢以降(生まれた日を0日目とします)に接種していること、マイクロチップの埋め込みの後(同日可)に接種していることが条件です。
2回目の狂犬病予防注射については、1回目の狂犬病予防注射から30日以上(接種日を0日目とする)の間隔をあけて、かつ、1回目の狂犬病予防注射の有効免疫期間内に接種していることが条件です。
3、狂犬病抗体検査(血清検査)
指定検査施設に血液(血清)を送り、狂犬病に対する抗体価を測定します。2回目の狂犬病予防注射の後、動物病院で採血しましょう。血液を農林水産省が指定する検査施設に送り、狂犬病の抗体価検査を受けます。2~3週間くらいで結果を受け取ります。
採血は、狂犬病予防注射の有効免疫期間内に実施する必要があります。狂犬病抗体検査の有効期間は採血日から2年間です。免疫抗体の生成量や上昇の程度には個体差があります。抗体価が0.5IU/ml 以上に達しない場合は、再検査が必要です。
4、輸出前待機
狂犬病抗体検査の採血日を0日目として、180日間以上待機します。犬や猫は、採血日から180日間以上待機した後、「狂犬病予防注射の有効免疫期間」及び「狂犬病抗体検査の有効期間」内に日本に到着しなければなりません。
採血日から180日間以上待機せずに日本に到着した犬・猫は、不足する日数の間、動物検疫所の係留施設で係留検査を受けることになります。
5、事前の届出
犬・猫が日本に到着する日の40日前までに、日本の到着予定空海港を管轄する動物検疫所に事前届出をします。「届出書」は動物検疫所のウェブサイトから入手しましょう。届出書は郵送、FAX または電子メールで提出してください。オンライン申請はこちらから!
◆ 犬:「狂犬病予防法及び家畜伝染病予防法に基づく犬の輸入に関する届出書」
◆ 猫:「狂犬病予防法に基づく動物の輸入に関する届出書」
「届出書」を受けた動物検疫所は、内容を確認し、届出者に「届出受理書」を交付します。「届出受理書」は輸入検査の際に必要です。また、輸出国での手続きや航空会社等の搭載手続きの際に提示を求められることがありますので、印刷して大切に保管しましょう。
変更届けなどの詳細はこちらから!
6、出国前の臨床検査(輸出前検査)
出国前に、獣医師による臨床検査(輸出前検査)をフィリピンで受けます。出国直前(搭載前10日以内)に、民間獣医師または政府機関の獣医官による臨床検査を受けましょう。
7、フィリピン政府機関発行の証明書の取得
フィリピン政府の動物検疫所が発行する証明書を取得します。提出する証明書の推奨様式については、日本の輸入条件をもれなく記入できる証明書の推奨様式(Form AC)を使用することをお勧めします。
提出する際は発行から3日以内の獣医師による検査証明証も持参しましょう。また搭乗予定の飛行機の予約も提示できるようにしておきましょう。
マニラの動物検疫所(NATIONAL VETERINARY QUARANTINE SERVICES)はケソンシティに位置しています。
◆住所:FIAHPP Bldg. Bureau of Animal Industry, Visayas Avenue, Diliman, Quezon City
ウェブサイト:こちら
電話番号:02-8528-2240
営業時間:8時〜17時
8、輸入検査
日本到着後、動物検疫所で輸入検査を受けます。空港にある動物検疫所でペットの検査を受け、必要書類を提出しましょう。 通常12時間以内の係留で入国できますが、不備がある場合は最長180日間係留する必要があります。
下記のサイトには動物の輸出入に関する詳細な情報が多数掲載されています!
◆フィリピン政府:検疫所メモランダム
◆DogStation:フィリピンから日本へのペット帰国体験記
◆農林水産省動物検疫所:犬・猫の輸入の手引き
◆農林水産省動物検疫所:チェックシート