在フィリピン日本国大使館は28日、新型コロナウイルス感染症に関する情報を発表しました。マニラ首都圏における医療体制の現状についてです。
フィリピン・マニラ首都圏においては、新型コロナウイルス感染 症の拡大に伴い、主に医療面で様々な支障が生じています。在留邦人の皆様におかれましては、感染し重症化した場合の対策 について、改めて検討してください。
1.現在、フィリピンのマニラ首都圏周辺における新型コロナウイ ルスの感染拡大に伴う医療状況等は以下の通りです。
(1)4月30日までの期間、フィリピンのマニラ首都圏(NCR )、ブラカン州、カビテ州、ラグナ州、リサール州、サンティアゴ 市(イサベラ州)、キリノ州、アブラ州には、コミュニティ隔離措 置(MECQ)が課され、厳しい行動制限の導入下にあります。
(2)首都圏、中部ルソン(Region 3)、カラバルソン(Region 4A)地方では流行悪化傾向にあり、Stage 3(4段階中2番目に悪い、大規模な市中感染を来しており、感染 源を追跡できない状態)と評価されています。(4月12日付WH O情報)
(3)マニラ首都圏のCOVID19に対応する医療体制の逼迫状 況に関しては、2020年末にかけて病床占有率は比較的抑えられ ていましたが、4月27日時点でICU(集中治療室)占有率は、 約71%、隔離病床占有率も約61%と高止まりしています( DOH資料)。比政府は、 市内の宿泊施設の大部屋を隔離施設に転換したり、リサール公園に 臨時病床を設置したり、病床の確保に対応していますが、一方でマ ニラ首都圏で日本人が多く利用する複数の総合病院で3月以降満床 が続いていて、病院によっては現在でも数十人単位の入院待ちが発 生しているという報告が入ってきています。
(4)当地におけるワクチン接種計画では、現時点で外国人、が優 先接種対象に含まれておらず、また、使用されるワクチンには日本 で承認されていないワクチン(比政府は、米ファイザー、 中シノバック、英アストラゼネカ、露スプートニクV、 米ジョンソン・エンド・ジョンソン、印バーラト・ バイオテックの各ワクチンを緊急使用許可済み)が含まれる上、各 人がワクチンの種類を選択できないとされています。なお、当地で は、4月26日現在、全国の医療従事者及び高齢者約174万回分 (うち1回目のみは約150万回分)の接種が進んでおります。
2.一方で、日本では、国内居住者への接種が現時点で医療従事者 216万回(進捗率25%)、高齢者2万8千回( 4月20日現在)となっています。また、一時帰国する海外在留者 向けのワクチン接種については、現時点で具体的な接種開始時期は 決まっておりませんが、準備が進められております。
3.上記1.のように非常に厳しい最近の感染状況および医療施設 のひっ迫状況を考慮しますと、当地にて重症化した場合に通常期待 されている医療サービスを受けられないリスクが従来よりもかなり 高くなっていると考えられます。ついては、いま一度、ご自身が感 染され重症化した場合の対策について検討され、必要な準備を進め ていただくようお願いします。
(1)重症化後に日本または第三国等での治療が必要となった場合 (当地の病院に空き病床がない場合を含みます)、定期便には搭乗 できないため、医療用チャーター便を利用することになりますが、 数千万円の緊急移送費用がかかることがあります。海外在住者向け の保険でカバーされる場合がありますので、保険会社にご確認くだ さい。
(2)事情により保険利用が難しい場合、あるいは緊急移送に不安 をお持ちの場合(出発まで数日かかる場合があります)は、感染や 重症化のリスクも念頭に、引き続き当国に滞在することの是非を慎 重にご検討ください。
(3)当地の病院への入院を選択される場合には、普段よりお住ま いの自治体から提供される各種情報に注意されるとともに、 各病院の空き状況は刻々と変化しますので、近隣の自治体を含めて ご自宅周辺の取り扱い病院の連絡先を出来るだけ多く調べておかれ ることをお勧めします。当館が承知する事例でも、 自宅近くはどこも満床で、100km以上遠い病院に電話してよう やく見つかったケースがあります。
問い合わせ窓口
○在フィリピン日本国大使館
住所:2627 Roxas Boulevard, Pasay City,Metro Manila
電話:(市外局番02)8551-5710
(邦人援護ホットライン)(市外局番02)8551-5786
FAX:(市外局番02)8551-5785
ホームページ: http://www.ph.emb-japan.go.jp/ itprtop_ja/index.html
※本文は在フィリピン日本国大使館からのメールを引用しています。
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