婚前契約(プレナップ)【フィリピン法律あらかると第百二回】
広告
『婚前契約(プレナップ)』
今月の事例
Q.フィリピン人との結婚を考えており、後々のトラブルを回避するために婚前契約の締結を考えていますが、フィリピンで婚前契約を締結することは可能ですか?
婚前契約(Prenup Agreement)とは、夫婦となろうとする男女が結婚後のことについて取り決める合意のことをいい、例えば、婚姻前に取得している財産や婚姻成立後に取得した財産の帰属、その他結婚生活上の様々な事項について定める契約のことをいいます。ここではあくまでフィリピン法に基づく婚前契約であることを前提として説明させて頂きます。
フィリピン家族法は、婚姻関係にある男女の有する財産の帰属につきましては、婚前契約にて別段の定めがある場合を除き、各配偶者が婚姻時に所有していた、および、婚姻後に取得した財産は共通財産(Community property)とみなすと規定し(フィリピン家族法第91条)、共通財産は原則的に両者の共有に属するものとされています(同法第75条および96条)。したがいまして、もし、フィリピン法の定めとは異なる財産の所有関係を希望する場合、たとえば、結婚前の資産については共通財産から除外したい場合などは、かかる財産を共通財産から除外することについて婚前契約を締結する必要があるということになります。よくあるケースとしては、日本人が前妻との間に子供があり、フィリピン人妻との結婚前に所有していた財産については前妻の子供に相続させたいと考えている場合などがあります。また、結婚後に取得する財産につきましても、フィリピン家族法に規定する共通財産からは除外したい場合にも婚前契約に規定する必要があります。なお、フィリピンで締結された婚前契約は、国外の資産については適用がありませんので、ご注意ください。
このように、フィリピン家族法の適用を受けないことを希望する場合、婚前契約を締結する必要がありますが、具体的な手続を説明致します。婚前契約が有効となるためには、①書面で締結され、公証を受けること、②婚姻前に締結されること、③両当事者が署名していること、④婚前契約が結婚契約が登録される地において登録されること、および、対象となる資産を管轄する登録所にて登録がなされること、ならびに、⑤結婚が成立することが必要となります。
婚前契約においては資産の所有関係だけでなく、結婚生活に関連するその他の事項についても幅広く規定することが可能です。しかし、公序良俗に反する事項については規定できません。例えば、どのような場合に婚姻を無効とするか、といった事項については規定することができません。 また、婚前契約を締結し、実際に結婚が成立したあと、日本法に基づき離婚が成立した場合や、フィリピン法に基づき婚姻無効となった場合に婚前契約の有効性が問題となり得ます。この点につきましては明確な判断はまだ出ていませんが、学説上は、婚前契約上の合意は有効に継続するとする立場が有力です。
フィリピン家族法は、婚姻関係にある男女の有する財産の帰属につきましては、婚前契約にて別段の定めがある場合を除き、各配偶者が婚姻時に所有していた、および、婚姻後に取得した財産は共通財産(Community property)とみなすと規定し(フィリピン家族法第91条)、共通財産は原則的に両者の共有に属するものとされています(同法第75条および96条)。したがいまして、もし、フィリピン法の定めとは異なる財産の所有関係を希望する場合、たとえば、結婚前の資産については共通財産から除外したい場合などは、かかる財産を共通財産から除外することについて婚前契約を締結する必要があるということになります。よくあるケースとしては、日本人が前妻との間に子供があり、フィリピン人妻との結婚前に所有していた財産については前妻の子供に相続させたいと考えている場合などがあります。また、結婚後に取得する財産につきましても、フィリピン家族法に規定する共通財産からは除外したい場合にも婚前契約に規定する必要があります。なお、フィリピンで締結された婚前契約は、国外の資産については適用がありませんので、ご注意ください。
このように、フィリピン家族法の適用を受けないことを希望する場合、婚前契約を締結する必要がありますが、具体的な手続を説明致します。婚前契約が有効となるためには、①書面で締結され、公証を受けること、②婚姻前に締結されること、③両当事者が署名していること、④婚前契約が結婚契約が登録される地において登録されること、および、対象となる資産を管轄する登録所にて登録がなされること、ならびに、⑤結婚が成立することが必要となります。
婚前契約においては資産の所有関係だけでなく、結婚生活に関連するその他の事項についても幅広く規定することが可能です。しかし、公序良俗に反する事項については規定できません。例えば、どのような場合に婚姻を無効とするか、といった事項については規定することができません。 また、婚前契約を締結し、実際に結婚が成立したあと、日本法に基づき離婚が成立した場合や、フィリピン法に基づき婚姻無効となった場合に婚前契約の有効性が問題となり得ます。この点につきましては明確な判断はまだ出ていませんが、学説上は、婚前契約上の合意は有効に継続するとする立場が有力です。
結論
A.可能です。但し、婚姻前に公証を受けた上で登録する必要があります。
本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha Law法律事務所の監修を受けております。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
弊事務所は、下記のフィリピンの法律事務所と提携しており、フィリピン進出中の日本企業及び在留邦人の方々に日本語での法律面でのサポートを提供させていただいております。取扱業務:会社設立、企業法務、倒産、労務問題、税務問題、一般民事、相続等
Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco
住所: Don Pablo Building 114 Amorsolo Street, 12290Makati City, MetroManila, Philippines
電話:02-8892-3011(代表)・02-8892-3020(日本語対応)・0917-851-2987
E-mail: [email protected]
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
(左) 弁護士 上村真一郎
(右) 弁護士 鳥養雅夫
(桃尾・松尾・難波法律事務所)
〒102-0083
東京都千代田区麹町4丁目1番地
麹町ダイヤモンドビル
電話:+81-3-3288-2080
FAX:+81-3-3288-2081
E-mail: [email protected]
E-mail: [email protected]
URL: http://www.mmn-law.gr.jp/
広告