新レシピ連載Start!------------------------
「日本の皆さんのお口に合う
フィリピン料理クッキングのコツをご紹介します。」
本号から新レシピ連載が始まります!
ご執筆いただくのは、フィリピンでも多くの家庭で利用されている「AJI-NO-MOTO®」を販売するAJINOMOTO PHILIPPINES CORPORATIONの采(うね)亜希子さん。同社で研究開発部門のディレクターをお務めです。
今回のレシピ連載の趣旨をお聞きしました。
采さん(中)、ローカルの研究開発部長Madzさん(左)とSienさん(右)。
Q:今回のご連載は、フィリピンの食材を使って、日本人に食べやすく、作りやすいフィリピン料理をご紹介いただくわけですが、この連載の趣旨をおしえてください。
采さん
私達が感じる味覚は、「甘味(かんみ)」・「塩味(えんみ)」・「酸味(さんみ)」・「苦味(にがみ)」・「うま味(うまみ)」と呼ばれる5つの「基本味(きほんみ)」から構成されていています。フィリピン料理は、他のアジア料理と比べて日本人にはなじみが薄いですが、うま味をベースとした料理が多く、日本人の味覚によく合う特徴があります。
一方で、フィリピン料理は「甘い、しょっぱい、油っぽい」といった印象を持たれている方も多いと思います。私自身も外で食べるフィリピン料理にそのような印象をもつこともありますが、ローカルスタッフおすすめの日常の家庭料理や、仕事を通じて知ったフィリピン料理の中には、日本人の口に合うものが沢山あり、それらはフィリピンの食材を知れば、自宅で手軽に作れることがわかりました。
この連載では、フィリピンのスーパーマーケットや市場で身近に手に入る食材を使って、日本人の皆さんのお口に合うベーシックな料理をご紹介します。そして、その中でフィリピンの台所で一般的に使われている調味料や、食べ合わせの特徴などもお伝えできればと思います。
これらのレシピを通じて、日本人の皆さんにとって、フィリピンの食材が身近になり、フィリピンでの生活がより豊かなものになればうれしいです。そして、日本にもフィリピン料理が広まって、両者の交流が深まる一つのきっかけになればと思っています。
Bringing Filipino Cuisine to Your Home: Easy and Delicious!
今回から始まる新連載!まずフィリピン料理の代表格、アドボの簡単クッキングをご紹介します。
ぜひご自宅でも手作りのフィリピン料理をお楽しみください。(制作協力;Ajinomoto Philippines Corp.)
語源は、スペイン語で「漬け込む」という意味の“Adobar”に由来し、豚肉以外にも鶏肉、イカ、空心菜、インゲンなど、様々な種類のアドボがあります。
アドボの味は、「しょうゆ」と「酢」がベースです。これだけでも、日本人になじみ深い「豚の角煮風」に仕上がりますが、「にんにく」、「黒こしょう(粒)」、「ローリエ(月桂樹の葉)」、の3つの材料を加えることで、フィリピン料理らしい特徴がつきます。また、仕上げの「オイスターソース」によって、長時間煮込んだようなまろやかな味の深みが出ます。
フィリピンの家庭のように白飯を添えて、ぜひご自宅でフィリピンの味をご堪能ください。
【材料 】(4人分)
●豚肉(肩ロース) 1 kg ( 4~5㎝角にカット )
●しょうゆ 大さじ2 (30 ml)
●A
・酢 大さじ6 (90 ml)
・にんにく 10片
・黒こしょう(粒) 大さじ1
・ローリエ 5枚
・水 5 カップ (1000 ml)
●油 大さじ1~2
【作り方】
1. 漬け込む: ボウルに豚肉としょうゆを入れてまぜ、10分以上漬け込む。 ●オイスターソース 大さじ6 (90g)
2. 焼く: 深鍋に油を入れ、強火で豚肉の全面に焼き色をつける(中まで火は通さなくてよい)。
3. 煮る: 同じ鍋に、1で残った漬け汁とAを入れ、肉がやわらかくなるまで中~弱火で煮る(30~40分くらい)。途中で煮汁に浮いたアクをとる。
4. 仕上げ:煮汁にとろみがついたら、オイスターソースを加えて2~3分煮て完成。
【メモ】
・1晩置くと味がなじんでよりおいしくなるので、作り置きに向いています。日本のカレーと同様に、フィリピンの家庭でも「翌日のアドボ」が好まれるそうです。
・フィリピンの肉売場では、「Adobo Cut」という名で、角切りになった豚肉が売られています。豚肉の臭みや脂が気になるときは、湯通ししてから使うとすっきりと仕上がります。
・にんにく、黒こしょう、ローリエの分量は、お好みで加減してください(粉末の黒こしょうを使う場合は、調理の最後に少量加えてください)。
「SARSAYA®オイスターソース」
うま味と甘味が特徴のフィリピン料理にぴったり合うオイスターソースです。煮込み料理の仕上げに加えると、ぐっと深みのある味に仕上がります。
また、野菜の炒め物などは、これだけでも味がまとまります。