Childcare Center WHiZ 幼児教育連載コラム
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フィリピンの日系幼児教育施設から
様々な能力がはぐくまれる大切な幼少時代、フィリピンで暮らすこどもたちの未来のために何が大切で、何を今すべきなのか︕︕ 会社員から保育士に転職、BGCでウィズこども園を運営されている小野さんに聞きました。
ウィズこども園・保育士 小野誠さん
早期教育は必要ですか?
かつて筆者は会社員として幼児教育に全く関わることがなかったころ、早期教育こそが子どもの未来を切り開くカギだと信じていました。子どもは新しい知識を高い吸収力で取り込む存在であり、学習環境さえ与えれば、まるでコンピューターにアプリケーションをインストールするように次々と新しいスキルを習得できると思い込んでいたのです。しかし、幼児教育について学びを深めるにつれ、この考えが必ずしも正しくないことに気づかされました。
確かに、一部の子どもは早期教育を楽しみ、大きな成果を上げることもあります。しかし、すべての子どもが同じように学習を受け入れるわけではありません。むしろ、無理に学ばせようとすることで、逆効果をもたらす場合があるのです。
米国の心理学者ピーター・グレイ氏は、早期教育による学習のアドバンテージは限定的であると指摘しています。この見解を裏付ける研究として、彼が紹介しているのが1970年代のドイツでの調査です。この研究では、早期教育に重点を置いた幼稚園と遊び中心の幼稚園を卒園した子どもたちの学習効果を比較しました。その結果、早期教育に重点を置いた幼稚園の子どもたちは、最初の数年こそ学習面で優位性が見られたものの、進学が進むにつれて遊び中心の幼稚園の子どもたちに追い抜かれてしまいました。
また、遊び中心の幼稚園を卒園した子どもたちは、学習面だけでなく、社交性や感受性の点でも優れた結果を示しました。この研究をきっかけに、ドイツの幼児教育は学習重視から遊びを中心としたものへと徐々にシフトしていきました。
一方で、早期教育が効果を発揮するケースもあります。それは、子ども自身が学習内容に強い興味を持ち、遊び感覚で取り組む場合です。
このような子どもたちは、学びを学びとは感じず、むしろ楽しい挑戦として向き合っています。その結果、自然と学習に没頭し、素晴らしい成果を上げるのです。
では、どのように早期教育と向き合うべきでしょうか?
大切なのは、子ども一人ひとりの興味や関心を見極め、それに基づいた環境を整えることです。例えば、子どもが数字や外国語に興味を持つならば、遊びを通じて学習の基礎を学べるような活動を提供するのが良いでしょう。逆に、嫌がっている環境で無理に学習させても、効果は期待できません。それどころか、子どもの心の成長にとって好ましくない結果を招いてしまうかもしれません。 子どものペースに合わせて興味を引き出し、遊びながら学べる環境を作ることが、早期教育を成功に導くカギとなります。無理に結果を求めるのではなく、子ども自身が楽しめる学びを提供する、それが、未来につながる力を育む最善の方法です。
早期教育が必要かどうかという問いに対して、答えは一概には言えません。大切なのは、子どもの興味と主体性を尊重し、その子に合った形で学びをサポートすることです。教育は単なる知識の詰め込みではなく、子どもの成長を見守り、応援するもの。その視点を忘れずに、子どもたちと向き合いたいものです。
ウィズこども園では、さまざまなプログラムを用意しています。しかし、プログラムへの参加は強制ではありません。やりたくなければ、本を読んだりして過ごす子どももいます。重要なのは、大人の思惑に子どもをあてはめないようにすることです。そのため、子どもが何かに興味を持ったとき、自由にその興味に触れ、学べる環境を整えてあげることを大切にしています。興味の対象が外国語や算数である必要はありません。例えば、電車や魚の名前を覚えることも、その子にとっての大切な学びです。私たちは、そのような小さな興味が将来の大きな向学心に繋がると考え、子ども一人ひとりのペースに寄り添った支援をしています。
Peter Gray Ph.D. 「Early Academic Training Produces Long-Term Harm」
日経新聞 2024年11月12日「小1で勉強嫌い、誤った早期教育とは 方法論よりタイプを」
President Online 「小学校4年生で成績は逆転する」衝撃の研究結果と本当に必要な早期教育
<2025年度入園申込受付中!>
元気に開園中!
2025年度募集園児の対象は下記の通りです。
3歳児(2021.4.2生~2022.4.1生)4歳児(2020.4.2生~2021.4.1生)
5歳児(2019.4.2生~2020.4.1生)2歳児 ※2025年6月頃より開設
※年度の途中入園も可能です。
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