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フランチャイズ契約について【フィリピンで役立つ!フィリピン法律あらかると第四十一回】

『フランチャイズ契約について』

 

今月の事例


  Q.フィリピンでラーメン店のフランチャイズ事業をやろうと計画していますが、契約を締結する際にはどういう点に注意すればよいですか?

 

<フィリピンにおけるフランチャイズに関する法制度>


フィリピンで飲食店などの小売業を外資企業が行うためには、最低資本金が250万米ドル必要であるほか、その他諸々の条件を満たす必要があることから、自ら飲食店を経営するのではなく、フランチャイズの方式で行うことが一般的です。そこで、フィリピンでフランチャイズ事業を行う場合に注意すべきことをご説明したいと思います。

フィリピンではフランチャイズに関する法律は現時点では存在しないため、一般的な法律が適用されます。フランチャイズ事業ではサービスの提供に関する体系的なノウハウをフランチャイザーがフランチャイジーに提供することが必要となりますので、フランチャイズ契約は技術移転契約(Technology Transfer Agreement; TTA)に該当します。第35回掲載の『ライセンス契約について』においても説明させて頂きましたが、技術移転契約がフィリピンにおいて有効かつ強制可能なものであるためには、フィリピン知的財産法(ThePhilippine Intellectual Property Code)に従う必要があります。

フィリピン知的財産法は、技術移転契約が有効であるために、契約で規定しなければいけない事項と規定してはならない事項を定めています。

まず、規定しなければならない事項ですが、フランチャイズ契約の準拠法をフィリピン法とし、紛争が発生した場合にはライセンシーの本店所在地を管轄する裁判所が管轄を有することにしなければなりません。その他、フランチャイジーに有利となる条項が規定しなければならない事項として定められています。

次に規定してはならない事項ですが、フランチャイジーに不利となるような事項が規定してはならない事項として条文で列挙されています。規定してはならない規定が契約書の中にある場合、それが双方が誠意をもって合意されたことが認められない限り、有効な規定と判断されません。これに該当する可能性がある条項のうち、フランチャイズ契約において特に問題になりそうな条項としては、フランチャイジーに対して一定の者から原材料等を購入することを義務付ける条項が挙げられます。たとえば、フランチャイザーから一定の商品(ロゴ入りの素材やタレ等)を購入することの義務化条項もこれに該当し、そのような条項は無効な規定とみなされる可能性があります。しかし、フランチャイズ事業において、共通の素材を使ったり、同じタレを使うというのはブランドの維持のためにも不可欠です。そのため、契約において、そのような義務化条項を契約当事者が誠意をもって合意したということを明確にしておくことが必要です。

のちのち問題とならないよう、契約の作成には注意を払うことが重要です。

 

結論

A.フィリピンでは、条件さえ満たせば資本構成に関係なくIPOを行うことは可能です。上場するためにはSECと証券取引所の承認が必要になります。

本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha Law法律事務所の監修を受けております。



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弊事務所は、下記のフィリピンの法律事務所と提携しており、フィリピン進出中の日本企業及び在留邦人の方々に日本語での法律面でのサポートを提供させていただいております。取扱業務:会社設立、企業法務、倒産、労務問題、税務問題、一般民事、相続等

 

Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco
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