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フィリピンでのIPOについて【フィリピンで役立つ!フィリピン法律あらかると第四十回】

『フィリピンでのIPOについて』


今月の事例

Q.我々は日本法人が100%株主のフィリピン会社なのですが、フィリピンにおいて株式上場 (IPO)を行うことは可能なのでしょうか?

 

 

<フィリピンのIPO>


事業が軌道に乗り、更なる資本が必要となった場合などにおいて、株式を上場して資金調達を行うことを検討するのは日本でもフィリピンでも共通のことと言えます。そこで、フィリピンにおいて株式上場を行うための手続や条件についてご説明したいと思います。まず、フィリピンの株式市場ですが、メインボード(東証1部のようなものです)と中小企業向けのSMEボード(Small and Medium Enterprise Board)の2種類が存在します。いずれの市場に上場するかにより、基準や条件が異なります。いずれの市場を選択するにせよ、フィリピンの株式市場に上場するためには、SECと証券取引所の両方から承認を得ることが必要となります。この承認を得るために満たすべき条件は多岐に及びますが、上場申請時に既に満たしておかなければならない条件の主なものを以下に示します。(1)上場前の直近の事業年度において株主資本(stockholders’ equity)がプラスであること
(2)事業の開始から3年が経過していること
(3)上場対象となる株式と同種の株式で引受済みの株式については全額が払込み済みであること
(4)直近の3事業年度におけるEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却・その他償却前利益)の合計が5000万ペソ(SMEボードの場合は1500万ペソ)以上あること
(5)直近の3事業年度においてEBITDAが1000万ペソ以上あること(SMEボードの場合は直近の3事業年度のうち、直近の事業年度を含む2事業年度においてEBITDAがプラスであること)
(6)直近の3事業年度において実質的に同じ事業に従事していること
(7)授権資本金が5億ペソ以上あり、その25%以上が引受済みかつ払込み済みであること(SMEボードの場合は授権資本金が1億ペソ以上であること)

 

これらの条件を満たしたとしても、上場が承認されるためには様々な準備を行う必要がありますので、必要に応じて専門家を起用することが必要となります。

 

<バックドア・リスティング>


なお、フィリピンでは株式上場の手段の一つとしてバックドア・リスティング(Backdoor Listing)という方法もあります。これは既に上場しているものの、休眠状態となっている会社の支配権を獲得することにより、新規上場の手続を経ることなく、実質的には上場と同じ効力を発生させることを指し、合法な手続とされています。

 

 

結論

A.フィリピンでは、条件さえ満たせば資本構成に関係なくIPOを行うことは可能です。上場するためにはSECと証券取引所の承認が必要になります。

 

本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco法律事務所の監修を受けております。



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