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フィリピンで役立つ!フィリピン法律あらかると第三十九回
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『フィリピンの公証について』


今月の事例

Q.フィリピンでローカルの会社 に継続的に商品を販売するた め、商品の売買に関する基本契 約を締結したのですが、公証人 による公証を受けませんでした。 仮に後で買主に対して未払い代 金を請求する裁判を起こさなけ ればならなくなった場合、問題 がありますか?

 

 

<フィリピンの公証制度>


フィリピンで文書を作成する場合、公証人による公証 を受けるよう要求されることが多いと感じられていると 思います。そこで、フィリピンにおける公証について説明 させていただきます。


フィリピンでは、フィリピン在住の21歳以上のフィリピ ン人弁護士は登録を受けて公証人となることができます。 公証人の主な職務としては、書類や署名の真正性を認 証することが挙げられます。よく郵便局の前の路上に公 証できます、といったブースが出ていることがありますが、 公証人資格を有している本人がやっている可能性はき わめて低いですので、利用されないほうがいいでしょう。 公証人は、公証業務の対象となった文書についてはす べてノートに記録するとともに、原本を保管する義務が あり、1ヶ月ごとにその月に行った公証業務の内容を記 録したノート及び公証した文書の写し(一部の文書を除 く)を裁判所に提出することが求められています。

 

<公証のメリット>


フィリピンでは、不動産を対象とする権利の設定、譲 渡、修正又は消滅や不動産の譲渡に関連する契約等、 一部の文書については公証人による公証を受けなけれ ば効力が発生しません。

 それ以外の契約書などについては公証を受けなくて も当事者間において効力は発生しますが、公証を受け ることによりその文書は公的文書(Public Document)と して取り扱われることになります。公的文書となりますと、 後々問題が生じて裁判になった場合でも特段の立証を 行わなくてもその文書が真正なものであるとして取り扱 われます。

 他方、公証を受けていない文書は私的文書(Private Document)として扱われるため、裁判などで私的文書 を証拠として利用するためには、それが適式に作成され たこと及びそれが真正なものであることをその文書が 署名又は作成されたことを目撃した者の証言やその他 の証拠により証明することが必要となります。

 後々争いになった場合の煩雑さを考えますと、契約書 などについてはなるべく公証を受けておくことがリスク 管理の面からも望ましいといえるでしょう。

 

 

結論

A.訴訟を提起することはできま すが、公証されていない契約書 は私的文書と扱われ、その真正 性を証明することが公証を受け ている場合より難しくなります。 今後は、なるべく公証を受けて おくことがよいでしょう。

 

本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco法律事務所の監修を受けております。



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(左) 弁護士 上村真一郎
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