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フィリピンでの株式譲受について【フィリピンで役立つ!フィリピン法律あらかると第三十八回】

『フィリピンでの株式譲受について』


今月の事例

Q.ローカルパートナーと合弁会社を組んでいますが、全株式を買い取って100%独資企業にしようと思うのですが、株式譲受の手続は日本と違いますか?

 

 

<フィリピンでの株式譲渡手続>


    現在、外資の参入を制限するネガティブリストの最新版の公表が待たれているところですが、大きな流れとしては外資規制が緩和されていく方向にあると言えそうです。これまで外資規制があったために60/40法人としてフィリピンに進出した企業も多く、外資規制がなくなった場合にはローカルパートナーから株式を譲り受け、独資100%となりたいと考えている会社も多いのではないかと思います。そこで、今回はフィリピンの株式会社の株式を譲り受ける際の手続について説明したいと思います。なお、本稿で譲渡対象の株式は全額支払込済みであることを前提とします。

日本では株式会社の株式の譲渡に際しては買主から売主に対して株式の売買代金が支払われ、かかる株式譲渡の事実を会社に届出て株主名簿にその株式譲渡が記録されることにより、株式の譲受人は株主たる地位を会社に対して主張することが可能となります。他方、フィリピンの場合も、秘書役が株式譲渡の事実を株主名簿に記載することにより株主としての権利を主張することができることは変わりませんが、秘書役に対して株式譲渡の事実を届けるに際しては、キャピタルゲイン税および印紙税の支払いを終えたことの証明書を提出することが必要であることが日本とは異なります。

フィリピン法人の株式の譲渡にあたっては、通常の場合、売主と買主との間で株式譲渡契約書( S h a r ePurchase AgreementまたはDeed of Sale)が締結され、キャピタルゲイン税と印紙税を誰が負担するかが契約において規定されています。そして、契約において支払い義務を負う者が税金を支払い、BIRから登録承認証書(Certificate Authorizing Registration; CAR)を取得し、これを添えて買主が秘書役に対して株式譲渡の事実の記録を求めるという流れになります。
なお、キャピタルゲイン税の税額は、売買対象の会社の株式の価値または売買価格を元に計算され、印紙税の税額は、株式の売買価格をもとに計算されます。実務においては、売買当事者が株式譲渡契約の締結に先立ち、株式の価値を算出した上で、BIRに税額の照会を行うことが行われています。BIRはキャピタルゲイン税及び印紙税の納付を受け、その金額に不足がないと認めた場合にCARを発行しますが、CARの発行申請から発行までは通常、30日程度かかることに注意が必要です。

以上のように、株式の譲り受けを登録するためには日本の場合とは異なり、まずは株式譲渡の際に発生する税金を支払い、BIRからCARを取得することが必要なことを覚えておく必要があります。

 

<フィリピン法に基づく遺言の作成方法>


  フィリピン法に基づく遺言の種類としては、日本と同様に自筆遺言と公正証書遺言がありますが、一般的には公正証書遺言が用いられていますので、その作成方法を説明します。公正証書遺言を作成するには、遺言の各ページ上部にページ番号を振るとともに、左側余白に遺言者と証人が署名を行い、遺言の末尾に遺言者と証人の署名が必要となります。なお、証人となることができる者は、フィリピンに住んでいる18歳以上の者とされています。このようにしてできあがった遺言を公証人が公証すれば完成となり、登録等は不要です。遺言においては、相続発生時に遺言を執行する遺言執行者を指定しておくことが一般的であり、たいていの場合は法定相続人の中から指定しますが、弁護士などを指定することも可能です。なお、裁判所が遺言の検認手続において遺言執行者として指定するのはフィリピン居住者に限られますので、法定相続人の中でフィリピン居住者がいない場合には弁護士等を指定する方がよいでしょう。


結論

A.フィリピンではキャピタルゲイン税および印紙税の支払いが名義変更登録のために必要ですので、ご注意ください。

本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco法律事務所の監修を受けております。



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弊事務所は、下記のフィリピンの法律事務所と提携しており、フィリピン進出中の日本企業及び在留邦人の方々に日本語での法律面でのサポートを提供させていただいております。取扱業務:会社設立、企業法務、倒産、労務問題、税務問題、一般民事、相続等


Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco
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