ブログ
食べる
経済ニュース
コラム
求人情報

HOME >  フィリピンのコラム  >  第七十五回ビジネス烈伝 / ジョンクレメンツ パーソルフィリピンジャパンデスク Manager 田渕大輔さん

第七十五回ビジネス烈伝 / ジョンクレメンツ パーソルフィリピンジャパンデスク Manager 田渕大輔さん

“人材サービスを通じてフィリピンの発展をサポートする”

ジョンクレメンツ パーソルフィリピンジャパンデスク
Manager
田渕大輔さん

 

1984年兵庫県生まれ。イギリスへの交換留学やボスニアやセルビアなどの国際紛争の研究に没頭した大学生活を過ごし、新卒でテンプスタッフ(現:パーソルテンプスタッフ)に入社。全国でトップスリーに入る営業実績を残し、2012年からインドネシアへ。採用·営業マネージャーや支店長を兼任。約5年駐在したのち、2017年から現職。

 

【好きな言葉】
常に大切にしているのは「感謝」という言葉です。お客様に対しても社内のスタッフに対しても、決しておごることなく、感謝の気持ちを忘れないように心がけています。ここフィリピンでもビジネスをさせてもらっているという謙虚な気持ちをもち続けていたいですね。

 

フィリピン国内最大手の総合人材会社でもあるジョンクレメンツパーソルフィリピンジャパンデスクでManagerを務める田渕大輔さん。クライアント· 求職者はもちろんのこと、社員やパートナー企業など関わるすべての人々に対して謙虚に接し、信頼関係の構築に意欲を燃やす。様々な業界で必要とされる人材の輩出を通じて、フィリピンの経済発展を後押しする。

 

 

編集部

 

フィリピンでの事業内容を教えてください。

 

田渕さん

 

私が携わっているジャパンデスクでは、国内の人材紹介のほか、国外への送り出し、ヘッドハンティングやアウトソーシング、またハーバードビジネススクールと提携した研修サービスなどを提供しています。フィリピン拠点は2017年に設立し、クライアント様や日々お世話になっている方々のおかげで、少しづつ事業も成長してきています。日本人は設立から半年で3人体制としましたが、現在では8人体制になり、来年には事業拡大に合わせて10人まで増える予定です。

 

 

編集部

 

御社の強みを教えてください。

 

田渕さん

 

私たちパーソルホールディグス(旧テンプホールディグス)はJohnClements社と事業提携しており、パーソルの1973年からの日本での経験と海外ネットワーク、またJohnClements社のフィリピンにおける1974年からの経験を相互に生かしつつ、サービスの提供をしております。来年からは他海外拠点と連携した労務コンサルティングサービスも新しく始める計画です。採用だけでなく人事制度や評価制度の整備など、人に関わる全てにおける幅広いサービスを展開していけたらと考えています。また日本国内で高度なスキルをもった外国人の採用に関しての需要も高まっているので、海外へのフィリピン人送り出しなどのサービスも強化していきたいです。

 

 

編集部

 

注力されている事業をお聞かせください。

 

田渕さん

 

現在は特にフィリピン国内の人材事業が大きく成長しています。ある工業団地に関する人材の案件では、13ポジションに対して応募者が1800人も殺到しました。製造やサービス業界だけでなく、インフラ業界など様々な業界で人材を採用したいというお客様が増えているので、日系企業のクライアント様に満足いただけるような、質の高い人材の輩出に力を入れています。

 

 

編集部

 

企業に人材が定着するためにはどういったポイントが重要でしょうか?

 

田渕さん

 

大きく分けて2点あります。1点目は業務内容と評価項目をきちんとつくること。自社が求める職種に対してどのような業務内容で、能力や業務を遂行する力が必要になるのか明確に提示し、ミスマッチを防ぐことが重要です。2点目は採用後のキャリアビジョンを人材に対し会社が描けるようにしておくこと。弊社でもクライアント様に「このポジションの仕事内容、御社の魅力を教えてください」とお伺いすることがありますが、残念ながら答えられる 方はそれほど多くはいらっしゃいません。日本人の方は働きすぎて自身の業務内容も明確に決まっていないためです。また自社の魅力·キャリアビジョンを伝えられない企業に優秀な人材は集まってきませんので、このあたりをしっかりと言語化しておくことが重要です。

 

 

編集部

 

フィリピンにいらっしゃる前はどちらに勤務されていたのでしょうか?

 

田渕さん

 

社内の公募制を通じて、2012年から2016年末までインドネシアに滞在していました。経済成長が見込める国で挑戦したいというのが応募のきっかけでしたね。営業や採用の責任者に加えて、支店長も兼任。赴任当初は数人しか在籍していなかった拠点でしたが、私が去る頃には120人まで拡大しました。私の父親が造船業に携わっており自宅に外国の方が来ることも多かったので、海外に対しての抵抗は全くありませんでしたね。高校2年生の時はイギリスに交換留学にいったり、大学では国際紛争の研究をしたりと、昔から海外に関心を抱いていたと思います。

 

 

編集部

 

フィリピン人を採用する際に意識しているポイントはございますか?

 

田渕さん

 

自社の求める人材が、他にどのような企業に応募しているか(採用競合先)をきちんとリサーチすることが大切です。また採用時の面接ではオープンクエスチョンではなく、クローズドクエスチョンをすると、求職者の人となりや能力を適切に判断する材料になると思います。イエスノーで答えられる質問ではなく、具体的に能力がわかるような質問ですね。 例えば「エクセルが使えますか?」と質問するのではなく「エクセルを使って、何のためにどのような資料を作っていたか?またその結果どのような効果を得られていて、改善点は?」等と具体的に問いかけることが大切です。

 

 

編集部

 

仕事をするうえで大切にされていることを教えてください。

 

田渕さん

 

自分の身の回りの360度すべてを、お客様だと考えて接するように教えられてきました。これは日本のテンプスタッフで仕事をしている時の先輩からの教育です。事務員やお付き合いのあるパートナー企業など、すべての方がお客様という考え方をもつことで相手をより理解できますし、信頼関係を築けると考えています。何よりも念頭においているのは、どの方に対しても真摯に対応すること。人材·労務サービスは無形商材なので「田渕だからお願いします」といってもらえるように、信頼につながる仕事を今後もしていきたいですね。

 

 

編集部

 

日本人で転職に成功する人はどういったタイプが多いのでしょうか?

 

田渕さん

 

成功の概念は人それぞれのため一概にはいえませんが、他責にする人は転職がうまくいかず、転職活動を繰り返す傾向にあると思います。他責にし「業績が悪いからダメだ」「上司が無能だ」「環境がわるい」などと、自己分析をしないで何かと自分以外のことを理由としてしまう方です。一般的に人材業界内では20代で2回、30代で3回というのが転職のボーダーとしてあります。また3年後から5年後のキャリアビジョンがないと、「やっぱり思っていたのと違った」「ここも違う」と失敗を繰り返す例も多いと思います。例えば3年後に結婚し出産したいというプライベートな目標も、キャリアプランを構成するうえで重要な要素のひとつです。また日本人がグローバルな環境で活躍するためには、相手の文化を尊重することが大切ではないでしょうか。現地の人々を見下すような 態度をとるのではなく、何よりも相手の文化に敬意をもつことが、世界で働くうえで゙重要だと思います。

 

 

編集部

 

プライベートの過ごし方を教えてください。

 

田渕さん

 

土曜日は仕事の場合が多いですが、日曜日は家族と過ごす時間を大切にしています。これまで長い間単身赴任の生活を送っていたので、家族との時間はとても貴重ですね。好きな本は「竜馬がゆく」など司馬遼太郎のシリーズです。営業や仕事でつらいなと感じた時は、ふと読み返すことが多いですね。

広告

ビジネス烈伝 前回のコラム

いまではフィリピンを代表する産業に発展したBPO業界。その成長を牽引してきたのがDTSI(Diversified Technologies Solution International)グループだ。

新着コラム

材料回収・リサイクル施設の運営と環境ソリューションサービスを提供する株式会社グーンはフィリピンの不動産開発・モール運営最大手でSMグループの中核を担うSMPrime(以下SMプライム)と提携、共同出資となるSGECIを設立し、フィリピンの廃棄物管理ソリューションの開発など環境問題に取り組む。フィリピンに進出した背景は?そしてSMグループとの提携の目指すところは? 2018年からセブに駐在する小西氏にお話を伺った。
2024年3月に駐フィリピン大使として着任し、精力的に活動を続ける遠藤大使。就任から約8か月が経過した今、彼の目にフィリピンの現在と未来はどのように映っているのか。着任前に外務省国際協力局長としてODAを担当していた経験を持つ遠藤大使に、フィリピンの投資環境や二国間関係の現状、今後の協力体制についてお話を伺った。また、今回200号を迎えた本誌と読者の皆様へのメッセージもいただいた。
世界で義足が必要な人々がどのくらいいるか、ご存じだろうか?世界中には高額なために、そして義肢装具士の不足のためなどで義足が利用できない人が非常に多い。その人々に日本のテクノロジーを用いて、精工な義足を提供しようと、まずフィリピンで邁進しているのがinstalimb(インスタリム)だ。そのビジョンは?展望は?事業統括の足立氏に伺った。
フィリピンにある日本食レストランブランドの中で、最も多くのエリアで店舗を保有しているのはどこかご存じですか?答えは「BOTEJYU®(ぼてちゅう®)」。今年の8月にフィリピンで8周年を迎え、現在89店舗を展開していますが、その躍進の秘訣は?そして、目指すところは?BOTEJYU®グループの栗田氏と、フィリピン側のパートナーであり、フィリピンを代表するエンターテイメント企業VIVA Communication Inc. Chairman Vicente Del Rosario, Jr さんにお話を伺いました。
商船三井のフィリピンにおける100%出資現地法人2社、EcoMOLInc.(エコモル)とMOLBulkShipping Philippines(MOLバルクシッピングフィリピン)をMOL Enterprise (Philippines) Inc.(MOLエンタープライズ)にこの4月に事業統合、高い経済成長が見込まれるフィリピンでさらなる躍進を目指す。その背景と目指すところは? エコモルの設立に携わり、運航船のオペレーション効率化を推進して来た横橋 啓一郎氏にお話しを伺った。
フィリピン不動産賃貸ポータルサイト  |   フィリピン求人 ジョブプライマー  |   BERENTA:Find the condo that suite you  |   【フィリピン在住者向け】コンシェルジュ&会員制コミュニティ Barong Club
ページトップに戻る