フィリピン在住19年の下田さん。現在BDOで日本人とフィリピン人のメンバーを抱える管理職として活躍中で、ローカルにも幅広いネットワークを持ちビジネスでもプライベートでも英語力を活かして活躍中だ。どんな勉強をしてきたのか、お聞きした。
下田 裕深さん
フィリピン歴 19年
現在の所属・お役職:BDOジャパンデスク 中小企業/個人口座チーム ヘッド
フィリピンに来る前の英語力は?
私は学生の頃から英語が苦手だったので、スキルと呼べるものはなかったですね。 英語や国語が嫌で理系に進んだ程です。 日本からフィリピンに来た当日、レストランでウェイターさんが"How's your food? "と聞いてくれたときに、聞き取れずに"Yes!" と答えてしまったくらい、英語が聞き取れませんでした。
英語の勉強をしっかり始めたきっかけは?
娘がこちらの幼稚園に入園した頃の苦い経験がきっかけです。 入園してすぐ、親も教室に入り、輪になって
全員が順番に自己紹介をする日があったのです。周りはフィリピンをはじめ様々な国籍の方々で、とても良い雰囲気でした。でも私は、英語で人前で話す事に緊張してしまい、結局自分の前の方の順番が回ってきたタイミングでトイレに行くふりをして家に帰って来てしまったんです。今でも、当時の居た堪れなかった気持ちを覚えてい
ます。英語ができたら他の親御さんたちともすぐに仲良くなれたし娘のことも色々話せたのに、なんて情けないんだろう、そう思った事が転機になりました。
どんな勉強をされたのですか?
すぐに家庭教師をつけて週に2回2時間のレッスンを約4年ぐらい続けました。
それ以外にも最初の半年は2週間に一回発音だけを教えてくれる家庭教師の先生に1年ほど習いました。初めの2年は宿題も毎日2時間は勉強しないと間に合わないぐらい沢山出ましたが、それを終わらせていない間はどんなに楽しいお誘いがあっても行かない!そう自分のマストラインを決めてやっていました。
英語力がついて変わったことは?
自分を取り巻く世界や生活が次第に変わっていって最終的には大きく変わりました。英語ができないままでいたら今の仕事についていなかったですし、子供のお友達の親御さんたちと家族ぐるみのお付き合いも旅行もできなかったと思います。私は以前はテニス、今はゴルフをしているんですが、英語での会話が苦にならないおかげ
で、フィリピン人の友人とも一緒にプレーを楽しんで、どんどんお友達も増えています。自然と世界が広がりますね。
おススメの勉強法、実践法は?
私の場合は思い切って英語の上手な人に聞く、これが良かったです。英語に自信がない時は特に英語が上手な日本人の前で話すのは「あぁ、間違えてるなぁ」って思われる気がして勇気が出ませんでした。でも途中から観念して「こういう時ってなんて言えばいいんだっけ?」とどんどん聞くようにしたところ、英語が上手な方の前でも気
楽に話せるようになりました。
店員さんに話しかける練習もおススメです。モールの端から端まで買う予定のないお店に次々と入っては、「こういう商品はありますか?」「他の色やデザインのものも見せてください」などと繰り返し聞いてました。レストランでも「ドレッシングはかけずに別にして出してほしい」「ジュースはシロップ無し(少なめ)で」など、本音を言えばそのままでいい時でも、話す練習のために無理して毎回アレンジをお願いしていました。スターバックスは発音のいい方が多くヒヤリングの練習にもなりました。それからこれは今でもずっと実践している方法ですが、英語での会話で周りの人たちがどんな言い方をしているか観察して、自分がそれまで使っていた言い方よりも適切に感じる表現や、知的だなと思う表現があればどんどん真似していくのもおススメです。
今年、英語を頑張りたい方へアドバイスを
フィリピンにも日本人が大勢いらっしゃいますから、数年暮らしたからと言って自然と英語ができるようになるかと言えばなかなか難しいかもしれません。フィリピンの方はとっても優しいので中途半端な英語でもわかってくれるんですよね。それで生活に何の支障も無いと英語を勉強するモチベーションが見つけられないかもしれませ
ん。でも同じことを相手に伝えるのにも日本語と同じように英語にも何通りもの言い方があって、自分のパーソナリティ、状況、相手との関係性に適した話し方が英語で表現できれば、今周りにいるフィリピン人や他の外国人のお友達ともう一歩深い友情をはぐくむことができるのではないかなと思います。会社の人にもご自身の仕事へ
の思いや伝えたいことをしっかり理解してもらえるのではないでしょうか。
そして、私が一番大切だと思うのはやはり「続ける」ということです。忙しくても英語の勉強を後回しにせずに頑張って続けると、きっと今までと違う世界が見えてくるのではないかなと思います。