ブログ
食べる
経済ニュース
コラム
求人情報

HOME >  フィリピンのコラム  >  小売業自由化法の施行規則について【フィリピン法律あらかると第八十六回】

小売業自由化法の施行規則について【フィリピン法律あらかると第八十六回】

『小売業自由化法の施行規則について』


今月の事例

Q.小売業自由化法の改正法の施行規則が発表されたそうですが、どのような内容ですか?
 
 
2022年3月22日に2000年小売業自由化法(Retail Trade Liberalization Act of 2000;共和国法第8762号)の改正法(共和国法第11595号)の施行規則(Implementing Rules and Regulations; IRR)が発表されましたので、その主な内容につきご紹介させていただきます。先に公表された小売業自由化法の改正により、外資による小売業への参入へのハードルが引き下げられましたが、実際の運用に際しては施行規則の定めがどうなるかが待たれていましたので、今回その施行規則が発表されたことにより、参入のための条件がより明らかとなりました。

<外国小売業者の登録等の要件>
払込資本の40%以上を外国資本が占める法人(以下、外国小売業者といいます。)は、a) 2500万ペソ以上の最低払込資本金を有し、b)その国がフィリピン人に対しても同様に小売業への参入を認めている場合は小売業に従事又は投資することができます。また、外国小売業者のSECへの登録に際しては、a)2500万ペソ以上の資本金の払い込みがなされたことに関する銀行等が発行する証明書、b) 前記b)の要件を満たしていることにつき、当該国の政府職員又は大使館等が発行する証明書の提出が必要とされます。 また、上記の要件は外国小売業者がオンラインでの小売業に従事する場合も必要であることが明示されました。既にオンラインでの小売業に従事している外国小売業者は、上記の最低払込資本金まで資本金を引き上げる必要があり、これを怠ると罰金が課されたり、将来的な事業の停止等の処分が課される可能性があります。

<必要条件の遵守に関する規則>
外国小売業者は2500万ペソの払込資本金を常に維持することが求められますが、当該金額は店舗あたりの投資要件を充足するために使用することは可能です。1店舗以上の実店舗により小売業に従事する外国小売業者は1店舗あたり1000万ペソ以上を投資する必要があります。もっとも、共用の施設等への投資もそれを利用する店舗数に応じて上記投資額として考慮することが可能です。改正法により、外国小売業者に対する一定の割合でのフィリピン国内製品の取り扱い義務は撤廃されましたが、国内製品の取り扱い(店舗におけるフィリピン部門のスペースの確保、袋や箱といった梱包製品の国内製品の利用、国内産原料の使用等)が推奨されます。

外国小売業者は、最低資本金の維持及び利用、店舗の所在地、店舗あたりの投資及び操業状態、(適用ある場合)現地生産品の在庫、その他要求される事項につき、毎年SEC又はDTIに報告することが義務付けられました。
 
 

結論

A.外国小売業者がSEC登録するための要件が更に規定されるとともに、登録後の遵守事項についても明らかにされました。

 

本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha Law法律事務所の監修を受けております。



- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

弊事務所は、下記のフィリピンの法律事務所と提携しており、フィリピン進出中の日本企業及び在留邦人の方々に日本語での法律面でのサポートを提供させていただいております。取扱業務:会社設立、企業法務、倒産、労務問題、税務問題、一般民事、相続等


Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco
住所: Don Pablo Building 114 Amorsolo Street, 12290Makati City, MetroManila, Philippines
電話:02-8892-3011(代表)・02-8892-3020(日本語対応)・0917-851-2987
E-mail: [email protected]


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

(左) 弁護士 上村真一郎
(右) 弁護士 鳥養雅夫
(桃尾・松尾・難波法律事務所)
〒102-0083
東京都千代田区麹町4丁目1番地
麹町ダイヤモンドビル
電話:+81-3-3288-2080
FAX:+81-3-3288-2081
E-mail: [email protected]
E-mail: [email protected]
URL: http://www.mmn-law.gr.jp/

広告

フィリピン法律あらかると 前回のコラム

新着コラム

フィリピンでの職場におけるハラスメントに関する法律はどのようなものがありますか?
日本で持っている登録商標をフィリピンでも保護したいのですが、どうすればよいですか?
日本では被疑者に警察などが接触せずにいきなり逮捕する場合がありますが(この場合、警察などが裁判所に逮捕状を請求して裁判所が逮捕状を発行し、その逮捕状を執行するという形での逮捕となります)、フィリピンでも日本と同様に被疑者がいきなり逮捕されるということはあるのでしょうか。本稿ではフィリピンでの逮捕の手続について解説させて頂きます。
フィリピンでも日本と同様にコロナのパンデミック期間にリモートワークが拡がりを見せましたが、フィリピンにおけるリモートワークに関する法制について今回はご説明させて頂きます。
フィリピンの空港から出国しようとする際に、イミグレーションの係官に止められて出国できないという場合があり得ます。これは、出国しようとした外国人に何らかの出国を制限する命令が出ているためです。そこで、まずどのような出国禁止命令があるのかにつき解説します。
フィリピン不動産賃貸ポータルサイト  |   フィリピン求人 ジョブプライマー  |   BERENTA:Find the condo that suite you
ページトップに戻る