日本を離れ、外国で暮らす私たちは、フィリピン以外の国の様子も興味津々！
世界各国で生活する日本人の方々の、その国ならではの暮らしをご紹介します。
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「スペインの四季 ～ 春を告げるアーモンド～」
サンサンと輝く太陽、広がる砂浜に蒼い海、鼻をくすぐるパエリアの香りに、愛の歌を響かせるフラメンコギター。そう、これこそ情熱の国スペイン！…な～んて、これはスペインで冬を越したことがなかった頃のイメージ。私の住んでいる北部の街には、海もなければフラメンコギターも聞こえてこないし、ましてや冬の寒さといったら…ブルブル。それもそのはず、改めて世界地図を見てみればスペインと日本の緯度はそう変わらず、むしろスペインの方がやや北に位置しているほど。というわけで、暑いばかりのイメージだった情熱の国スペインにも、日本に似た四季がありました。
強い陽射に蒼い海が輝く夏。真っ青な空の下、砂浜に並ぶ小麦色の肌…言わずと知れたスペインの魅力が光る季節。秋には広大な大地に葡萄がたわわに実り、緑色が鮮やかなオリーブの実は、その重みで枝をしならせる。冬、フランスとの国境近く、ピレネー山脈の麓には深々と雪が積もり、冷たい風が吹きつける厳しい寒さが続く。そして待ちに待った、春。冬の薄暗い曇り空を割って久しぶりに太陽が覗き、草花達が一斉に芽吹き始める喜びの季節。
春夏秋冬、日本と通じ合う四季が楽しいスペイン。１つだけ残念なのは、厳しい冬が過ぎた後、日本での春の代名詞『桜』を拝めないこと。『春は桜』と、日本では毎年桜を見て春を感じていた私だから、桜が見られないスペインの春は少しだけ淋しい。そんな風に思いながらも春を心待ちにしていた2月の下旬、私の小さな憂鬱を吹き飛ばしてくれたのは、いつもの散歩道の街路樹、『アーモンド』が付けた花。
桜と見間違う様な可愛らしい桃色の小さな花を、一斉に枝一杯に付けて見事に咲き誇るアーモンドが、冬の悲しげな路地も冷え切った体も少しだけ淋しかった気持ちも、パッと明るく暖かく照らしてくれる。日本の桜同様、スペインに春の訪れを告げる喜びの花。さあ、アーモンドが咲いたら待ちわびた春が来るっ！日本から遠く離れたスペインで、日本よりも少しお先にアーモンドとワインでお花見しちゃおっかな、なんてね！
＜コラムニスト紹介＞
セボジッタ
2008年にスペイン人の夫と結婚し、スペインでの生活を開始。
写真とイラストでスペインの日常をつづる、『ゆるゆるスペイン主婦日記』を更新中。
セボジッタさんのブログ「ゆるゆるスペイン主婦日記」：http://ameblo.jp/yumeyumeyudannasaranuyou/
