2019年12月26日
キリンホールディングス(本社:東京都中野区、社長 磯崎功典氏)は、インターネット上の仮想大学「キリンビール大学」(http://www.kirin.co.jp/entertainment/daigaku/)を運営している。これは、ビールの楽しさ・奥深さを消費者に伝えるために2001年7月に開講したもので、美味しいビールの飲み方から、ビールに関する興味深いうんちくまで様々な学部・施設で400以上の豊富な講義提供、パソコンでもスマホでも、365日24時間好きな時に好きなだけビールについて学習できる。
今回は、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき計170の世界主要国および各地域において、2018年のビール消費量をまとめ、12月24日にその結果を発表した。この調査は1975年分から統計を開始している。それによると、2018年の世界の総消費量は前年比0.8%増の約1億8,879万キロリットル(633ミリリットルの大瓶換算で約24億本)で4年ぶりにプラス成長となった。東京ドームをジョッキに見立てると約152杯分に相当する量である。
地域別では、アジア、北米が減少したがその他の地域は増加した。アジアのシェアは33.3%で11年連続の1位となった。ただし、フィリピン(8.8%増)、ベトナム(7.1%増)、インド(5.7%増)、タイ(1.6%増)などが牽引したものの、中国のマイナス成長の影響で、アジア全体では0.1%減の6,279万キロリットルと小幅ながら減少となった。アフリカ(4.4%増)は8年連続で増加した。
国別では、中国が16年連続で1位となったものの前年比2%減の3,936万キロリットル(シェア20.9%)と連続減少。2位は米国の2,403万キロリットル(シェア12.7%)。以下、3位ブラジル、4位メキシコ、5位ドイツ、6位ロシア、7位日本、8位英国、9位ベトナム、10位スペインと続く。日本は前年比0.1%減の511万キロリットル(シェア2.7%)で12年連続の7位となった。上位25カ国の前年比増加率では、フィリピンの8.8%増が最大、2位はベトナムの7.1%増、3位はインドと英国の5.7%増であった。
国別一人当たりビール消費量は、チェコが191.8リットル(633ミリリットルの大瓶換算で303本)で26年連続の1位となった。2位はオーストリア(同170本)、3位はドイツ(同159.7本)、4位はルーマニア(156.2本)、5位はポーランド(同155.1本)、6位はアイルランド(同151.3本)、7位スペイン(同135.9本)などと、断トツのチェコを筆頭に欧州勢が上位を占めている。日本は52位(同63.4本)であった。
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フィリピンについては、上記のとおり、消費量が8.8%増の216万キロリットルと好調、上位25カ国のうちで最大の伸びを見せた。2017年も13.8%増でタイの15.8%増に次ぐ第2位の伸びとなっており、このところの好調ぶりが際立っている。国別シェアは1.1%、国別順位は17位で2017年の19位、2016年の24位から急ピッチで上昇している。2018年は、天候による米不足などから一時的にインフレが加速し個人消費の伸びがやや鈍化する場面はあったものの、年間を通しては、持続的な経済成長による所得環境の改善などおおむね良好な環境に支えられ、ビール消費が続伸した。
ちなみに、手許の過去データによると、フィリピンは、1990年代は消費量上位25カ国常連であり、20位台前半まで上昇する時期もあった。2000年代に入ると順位が低下傾向となり、2008年に国別消費量第25位にランクされたのを最後に2015年まで25カ国番付圏外が続いてきたが、2016年は久々に25カ国番付にランクイン(24位)、2017年は一気に19位まで上昇、2018年は一段と上昇した。
なお、今年8月8月に発表された2018年ビール生産量においても、フィリピンは前年比11.0%増の222万キロリットル、4年連続でプラスとなり、国別順位は2017年の20位から17位へと上昇している。11.0%増という伸び率は、上位25カ国で唯一の二桁増加、断トツ(2位はメキシコの8%増)となっている。2017年の生産量も7.9%増と好調であったが、2018年は生産量増加ピッチに拍車がかかった(19年12月24日のキリンホールディングス株式会社ニュースリリースなどより)。