2020年2月25日
日本政府観光局(JNTO)は2月19日、2020年1月の訪日外客数推計値を発表した。それによると、1月の訪日外客数は前年同月比1.1%減の266万1,000人で、2019年1月の268万9,339人を約3万人下回り、4カ月連続で前年同月を下回った。訪日外客数が多い韓国市場の減速が響いた。
昨年は2月であった春節(中国正月)が今年は1月になり訪日需要増の時期が前倒しになった影響等により、東アジア市場の一部、東南アジア市場などで前年同月比が二桁の伸びを記録した。特に香港、マレーシア、フィリピン、ベトナムは前年同月比40%超となった。
市場別では、豪州で単月として過去最高を記録したほか、韓国、ドイツを除く17市場(中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、米国、カナダ、英国、フランス、イタリア、ロシア、スペイン)で1月として過去最高を記録した。
1月の上位5市場は、1.中国(前年同月比22.6%増の92万4,800人)、2.台湾(19.0%増の46万1,200人)、3.韓国(59.4%減の31万6,800人)、4.香港(42.2%増の21万9,400人)、5.米国(13.7%増の11万7,300人)。
フィリピンは前年同月比48.9%増の5万3,600人となり、1月として過去最高を記録。ASEAN加盟国ではタイ(21.4%増の11万2,500人)に次ぐ2位を維持した。タール火山の噴火により、一部航空便の欠航があったものの、7月のマニラ‐関西線、8月のクラーク‐成田線の新規就航等による航線空座席供給量の増加や、航空会社等と連携し継続的に展開してきた訪日旅行プロモーションの効果などにより、訪日者数は前年同月を大幅に上回った。
中国市場を中心に新型コロナウイルス感染症の海外旅行需要への影響が懸念される中、JNTOは、市場動向を綿密に分析しながら、訪日旅行プロモーションに一層取り組んでいく(20年2月19日の日本政府観光局発表より)。