2022年12月9日
フィリピン統計庁(PSA)は12月7日、2022年10月の労働力調査(LFS)速報を発表した。それによると、2022年10月の15歳以上の失業率は4.5%で前月から0.5%ポイント、前年同月から2.9%ポイント改善した。
新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック発生前の2019年10月の4.5%(当時は毎月発表ではなく、1月、4月、7月、10月という年4回発表)以来、3年ぶりの低水準となった。また、前月に続き、パンデミック直前である2020年1月の5.3%よりも低くなった。経済再開本格化や対面授業再開などが寄与した。
2022年10月の15歳以上の人口7,693万人のうち、労働力人口は前年同月比(以下同様)4.3%増の4,935万人で、労働参加率は64.2%となり、前年同月から1.6%ポイント上昇した。
就業者数は7.5%増の4,711万人、就業率(雇用率)は95.5%と前年同月を2.9%ポイント上回った。就業者を業種別に分類すると、農業部門が22.5%(前年同月24.6%)、鉱工業部門が18.3%(同17.8%)、サービス部門が59.2%(同57.6%)であった。就業形態は、賃金労働者が全体の62.6%を占め、その49.2%が民間企業労働者、8.9%が政府系企業社員・公務員だった。自営・事業主は全体の30.1%、無給家内労働者は7.3%。また、週平均労働時間は40.2時間で、前年同月の39.7時間を約0.5時間上回った。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の65.2%(前年同月62.4%)。
不完全就業者(就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事を求めているパートタイム労働者)数は5.3%減の667万人で、不完全就業率は14.2%(前年同月16.1%)。不完全就労者全体の62.3%が労働時間週40時間以下だった。
失業者数は36.0%減の推定224万人。年齢層でみると、15歳-24歳が全体の34.6%、25歳-34歳が37.8%と合計で全体の72.4%を占めた。学歴別では、中学校進学・卒業者の割合は34.4%(卒業者は25.6%)、大学進学・卒業者では40.3%(卒業者は29.5%)だった。性別では、男性57.7%、女性42.3%と男性が上回っている。