2023年1月27日
フィリピン統計庁(PSA)は1月26日(木)午前10時より、2022年第4四半期(10月~12月)及び年間の国内総生産(GDP)など国民勘定統計を発表した。
<2022年第4四半期の動向>
2022年第4四半期のフィリピンの国内総生産(GDP)実質(以下同様)成長率は7.2%で、前期(2022年第3四半期)の7.6%、前年同期の7.8%から鈍化したが、依然高い成長率であり、直前予想コンセンサスの6.8%を上回った。これまでに第4四半期GDP統計を発表したASEAN主要国や周辺国の中では、フィリピンの成長率が最も高く、2位のベトナムの5.9%を上回った。また、中国の2.9%を大幅に上回った。
国家経済開発庁(NEDA)は、「第4四半期の高成長は堅調な国内需要を反映している。労働市場の状況改善や観光客の増加、対面授業の再開等が経済に対する消費者及び投資家の信認を回復させた」とコメントした。
セクター別では、農林水産業業がマイナス0.3%、鉱工業が4.8%、サービス産業が9.8%で、サービス産業の高成長ぶりが目立った。支出別では、家計最終消費支出(HFCE、個人消費)の伸び率が7.0%で牽引役となった。輸出は14.6%増加した一方、GDPのマイナス勘定となる輸入は5.9%増加にとどまった。海外からの純所得(NPI)が57.5%増加したことで、国民総所得(GNI)成長率は9.3%に達した。
<2022年の年間動向>
2022年年間の実質GDP成長率は7.6%となり、政府目標の6.5%~7.5%の上限を上回る結果となった。また、現行基準(2018年基準)での遡上記録が残る2001年以降で最高の成長率であり、基準年は異なるが1976年の8.8%以来46年ぶりの高成長である。
セクター別成長率は、農林水産業が0.5%、鉱工業が6.7%、サービス業が9.2%といずれもプラス成長だった。支出別では、家計最終消費支出(HFCE)が8.3%増加、政府最終消費支出(GFCE)が5.0%増加、総資本形成(GCF)が16.8%増加した。輸出は10.7%増加、輸入は13.1%増加した。NPIが76.4%増と大幅プラスに転じ、その結果GNI成長率は9.9%となり、前年の1.9%から急拡大した。