2023年4月17日
22年の純利益21億ペソ、3,393店で業界断トツ、既存店29%増収
フィリピンのコンビニエンスストア(コンビニ)首位のフィリピン セブン-イレブン(比セブン-イレブン)は、台湾系のプレジデント・チェーンストア(ラブアン)ホールディングスが55.322%(2023年3月末現在)を保有するフィリピン セブン社(証券コード:SEVN)によって運営されている。
4月13日に公表されたSEVNの2022年(1月~12月)年次報告書によると、比セブン-イレブンの2022年末の店舗数は3,393店、前年末の3,073店から320店、率にして10.4%の純増となった。2022年一年間で353店をオープン、33店を閉鎖した。2022年の純増数320店は2021年の純増数95店(オープン164店、閉鎖69店)を大幅に上回った。そして、コンビニ業界断トツの店舗数(全コンビニエンスストアでのシェア29.6%、ブランドコンビニエンスストアでのシェア67%:SEVN推定)となっている。
2022年末のセブン-イレブンの店舗数3,393店の地域別内訳は、マニラ首都圏1,063店、首都圏以外のルソン地域1,505店、セブを中心とするビサヤ地域489店、ダバオを中心とするミンダナオ地域336店。全体では自営店が1,743店(51%)、フランチャイズ店が1,650店(49%)となっている。
近年急成長を続けてきた比セブン-イレブンは新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで急ブレーキがかかり2020年、2021年と2年連続で赤字決算、店舗増加数も2020年は114店、2021年は95店にとどまった。しかし、2022年の業績は下記のように急回復した。このような状況下で、出店ピッチを再び高める方針であり、2023年は400店を出店する計画である。
SEVNの2022年のグループ全売上高は前年同期比(以下同様)39.6%増の660億ペソに達した。新店効果(店舗数10.4%増)と既存店28.8%増収との相乗効果で大幅増収となった。既存店の増収は、新型コロナ感染減少やそれに伴う外出・移動制限緩和、経済再開本格化などによる。特に、第2四半期は39.2%増収、第3四半期は35.2%増収と急回復した。
営業収入は前年比(以下同様)39.7%増の635億ペソに達した。営業利益は684%増(約7.8倍)の35億1,370万ペソへと急増した。そして純損益は20億0,570万ペソの黒字で、前年の4億6,100万ペソの赤字(損失)から急改善した。そして、収益ともに、新型コロナパンデミック前の水準を大幅に上回った。純利益は3年ぶりの黒字化のみならず、一気に過去最高益を更新した。