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【フィリピン経済ニュース】IPSのフィリピン大規模海底ケーブルシステム完成

2023年12月26日

グローブなどと協働、投資額約1.5億ドル、全長2,400キロ

 

情報通信事業などを展開する株式会社アイ・ ピー・ エス(IPS、本社:東京都中央区)は、「12月28日、フィリピン国内海底ケーブルシステム(PDSCN)が完成し、連結子会社のInfiniVAN社(インフィニVAN)がフィリピンのCATV事業者にIRU契約により当該回線を提供することによる収益が計上されることとなった」と発表した。

回線提供先や金額に関しては、守秘義務契約により非公表とされているが、IPSグループの2023年3月期における連結売上高の10%(12億3,400万円)に相当する額付近、収益計上時期は2024年3月期第4四半期とのことである。

IPSは過去最大の投資案件として、2022年7月よりインフィニVANを通じて、フィリピンの大手通信企業グローブ テレコム(証券コード:GLO)とイースタンテレコミュ二ケーションズ フィリピン(イースタンテレコム)と共同で、PDSCNの建設を開始した。2023年4月に海底部分の建設が完了しており、地方の各都市を結ぶ陸上回線との接続によるネットワーク、さらに全国140カ所の中継局を設置が12月28日完成した。これにより、既存大手通信事業者と遜色のないネットワークが完成し、ハイパースケール事業者、CATV事業者、地方の通信事業者、地方の法人向け等への通信サービスの提供が全国規模で可能となった。

PDSCNは、ルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島を結ぶフィリピン国内を縦貫する回線で、その工事区間は24区間、ケーブルの長さは約2,400Km、人口カバー率は96%、総投資額は約1億4,600万米ドル(原則3社均等)。別途、伝送装置やインフィニiVAN単独の陸上部分の費用を合計すると、インフィニティVANの投資額合計は約6,400万米ドル(約85億円)とのことである。

なおPDSCNは、競合関係にある通信企業との共同事業によりフィリピン国内通信網を構築する初の大型案件である。当該プロジェクトは、インフィニVAN社からの呼びかけによって実現した。日本の技術を採用した高品質の回線を敷設するため、敷設はKDDI子会社の国際ケーブル・シップ(15区間)、NTTグループのNTT ワールド エンジニアリング マリン(9区間)が実施した。

IPSグループが主導する事で、台風等の自然災害(フィリピンは例年大きな台風の影響を受ける)、船のイカリや漁具との接触、鮫が噛んだりすることなどでも容易には切断されない頑丈な海底ケーブルを、高度な技術力と実績のある日本の敷設事業者によって敷設することが、協働する通信事業者2社に高く評価された。一つのフィリピン国内の海底ケーブルシステムとしては、最大規模になる。

なお、インフィニVANは、2023年7月7日、フィリピン最大の配電企業であるマニラ電力(メラルコ、証券コード:MER)の通信子会社ラディウス テレコム(ラディウス)との間で、互いの所有するアクセス光ファイバー(まずは一部)の相互開放に合意した。両社が所有しながら未使用のアクセス光ファイバーの一部を、相手方の希望ベースで開放していくものである。両社にとっては、サービス提供が可能なエリアやビルの拡大、サービス申込者への速やかな提供開始、資産の効率的活用などのメリットがある。

更に、8月1日には、「ソフトバンク株式会社の子会社のBBIXとの間で、フィリピンにおいてインターネットエクスチェンジサービスを提供する合弁会社BBIX Philippines, Inc.(BBIX PH、IPSの持分法適用会社)を設立することについて合意した。BBIX PHは、インフィニiVANとBBIXの相互の強みを活かし、フィリピンのインターネット接続環境の向上とインターネットユーザーに対するサービス品質の向上を目指す。

 

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