2023年12月22日
21年の27位から上昇、消費11.4%増の163万キロリットル
キリンホールディングスは12月22日、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき計170の世界主要国及び各地域における2022年のビール消費量をまとめた。
それによると、2022年の世界のビール総消費量は前年比2.9%増の約1億9,210万キロリットル(kl)で、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年と比較して1.0%増加し、コロナ禍からの回復傾向が見られた。大びん(633ml)換算で約3,035億本、東京ドームをジョッキに見立てると、約155杯分(東京ドーム1杯は約124万kl)に相当する。
国別では、中国が前年比1.0%増が20年連続で1位。日本は2.5%増とやや増加するも、2年連続で順位を落とし10位。ウクライナは25.7%減と2021年の18位から2022年は27位に順位を大きく落とした。上位10カ国ではアメリカ、ドイツ、イギリス、日本がコロナ禍前の2019年比においてマイナスとなった。フィリピンの総消費量は11.4%増の163.3万kl(構成比0.8%)で24位となり、2021年の27位から3ランク上げた。
地域別では、アジア(前年比4.9%増)の構成比が33.9%となり、15年連続で1位だった。ベトナム(前年比27.0%増)、インド(前年比21.6%増)などが増加し、前年増に貢献した。
手許の過去データによると、フィリピンは、1990年代は消費量上位25カ国常連であり、20位台前半まで上昇する時期もあった。2000年代に入ると順位が低下傾向となり、2008年に国別消費量第25位にランクされたのを最後に2015年まで25カ国番付圏外が続いた。2016年は久々に25カ国番付にランクイン(24位)、2017年は一気に19位まで上昇、2018年16位、2019年は15位へと一段と上昇した。しかし、2020年は新型コロナウイルスパンデミックの影響で消費量が前年比34.2%急減、世界順位も25位へと急低下、2021年は27位まで低下した。そして、上記のように、2022年の消費量が前年比11.4%増、世界順位24位に再上昇という経緯を辿っている。
2023年についても、国内シェア90%以上のシェアを有するサンミゲル ブリュワリー(サンミゲルビール、キリンが約48%出資)の9カ月間の国内売上高が前年同期比9%増の963億ペソと堅調に推移している。