2021年8月20日
開発予算調整委員会(DBCC)が、8月18日、2021年~2024年の中期マクロ経済目標やその前提条件見直しのための会議を開催した。DBCCは政府の経済関係部署の横断機関であり、マクロ経済目標決定などの役割を担っている。
今回のDBCC会議において、2021年のGDP成長率予想が、これまでの6.0%~7.0%から4.0%~5%へと大幅下方修正された。新型コロナウイルス感染台拡大やデルタ変異株の出現、その対策としての地域隔離措置の再強化などが、2021年の成長率を鈍化させると判断した。
フィリピン統計庁(PSA)の速報によると、2021年第2四半期(4月~6月)のGDP成長率(実質ベースの対前年同期比、以下同様)は11.8%となり、6四半期ぶりにプラス成長に転じるとともに、1988年第4四半期の12.0%以来、約33年ぶりの高い伸びとなった。ただし、比較対象となる2020年第2四半期がマイナス17.0%と史上最悪の落ち込みであったことの反動という要素が大きい。
2021年第1四半期のGDP成長率はマイナス3.9%(改訂値)であり、上半期成長率は3.7%となった。前年上半期のマイナス9.3%からは改善したが、回復ピッチはさほど芳しくない。これまでの政府の2021年成長率予想6.0%~7.0%の達成は困難との見方が一段と強まっていた。
2022年予想に関しては、これまでの7.0%~9.0%継続、2023年と2024年に関してもこれまでの6.0%~7.0%継続が決定された。GDP成長率の年間推移は以下のとおり。