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「サステナブルなビジネス」 を実現するために【NRI 野村総合研究所 フィリピンビジネス通信 第26回】

 

フィリピンビジネス通信 ~コンサルの視点から~

連載:「サステナブルなビジネス」 を実現するために 第一回

 

野村総合研究所(NRI)マニラ支店では、 フィリピン市場 ・文化に精通したコンサルタントが、 フィリピン市場 ・業界調査や参入戦略、 人材マネジメント、 業務改革のコンサルティング、 IT ソリューションを提供しています。

今回は、 コロナ禍で注目が集まる 「サステナビリティ」 について、 Industry Solutions Consulting (ISC)セクターに所属する Jonas Marie Dumdum にインタビューした内容をご紹介します。

 

 

 

なぜいま、 サステナビリティなのか?

 

 

 

野村総合研究所(NRI)マニラ支店コンサルタント。Industry Solutions Consulting (ISC) セクター所属。サステナビリティや気候変動をテーマに、数々の調査案件、企業向けサポート案件実績を持つ

Jonas Marie Dumdum

 

■環境や社会と、調和の取れたビジネスを行うために

 

新型コロナウイルス感染症の拡大が、フィリピン経済に多くの影響をもたらしたことは、皆さんもご存じの通りだと思います。国全体の経済成長が鈍化したことはもちろん、財務面での影響から、事業戦略の変更を余儀なくされた企業も多いでしょう。こうした、いわば「混乱状態」の最中において、重要とされているのが「サステナビリティ」、持続可能性という概念です。「サステナビリティ」という単語自体は、決して新しいものではなく、1990 年代から主にビジネス戦略の一環として提唱されてきました。昨今のフィリピンにおいても意識が高まっている概念です。変化のスピードがはやい不確実な社会において、イノベーションによって未来を切り拓き、社会課題を解決する。地球温暖化やエネルギー問題などが深刻化している今、環境や社会と調和の取れたビジネスを行うことは、企業に求められている責務だとも言えるはずです。

こうした企業を主導としたサステナブルな動きは、消費者側の意識改革にもつながっています。ある調査によると、米国とカナダの消費者の約70%が、持続可能で環境に優しいブランドや製品を求め、リサイクル製品を好んで購入していることが判明(International Business Machines 社のレポートより参照)。また、多くの消費者が、自分の信念を反映したサステナブルに取り組むブランドや企業を支持する傾向にあるとも言われています。

 

 

■フィリピンにおける、サステナビリティ意識の高まり

 

同様の流れは、フィリピンでも起こり始めています。フィリピンにおいても、地球環境に配慮する製品やブランドを好んで選択する消費者が増加するなど、消費者側の意識も変わりつつあります。こうした変化をふまえると、企業も社会の変化に応じて、その経営や事業内容を変えていくことは、今後のビジネス成長において必要であり、企業それぞれのサステナビリティに対する方針や取り組みの提示が求められます。


「サステナブルなビジネス」を実現するためには、環境や社会、そして経済的課題をより深く理解することが重要です。これは、単に企業としての事業成長につながるだけでなく、消費者の生活の質の向上、そして気候変動のような地球全体に係る課題を解決するために大切なことです。


ビジネスをよりサステナブルに発展させるための方法は決して一つではありません。未来に向けて、ビジネスや企業を、そして地球を持続可能な形でつないでいくために、私たちには何ができるのか。まずは一人一人が自分の立場で考えることが重要です。

本連載は「サステナブルなビジネス」について数回にわけて解説いたします。

 

 

 

当該レポートは、LinkedInでも発信していますので(LinkedIn でNRI Manilaと検索)、是非ご覧ください。

 

 

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Nomura Research Institute Singapore Pte. Ltd Manila Branch

住所:26th Fl., Yuchengco Tower, RCBC Plaza 6819 Ayala cor Sen. Gil J. Puyat Avenues, 1200 Makati

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フィリピンビジネス通信 前回のコラム

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