2020年2月17日
フィリピン最大級の不動産企業であるアヤラランド(ALI)は、2月14日、2019年(1月~12月)の決算速報を発表した。
それによると、2019年の総収入は前年比(以下同様)2%増の1,688億ペソ、純利益は13%増の332億ペソで、10年連続での最高益更新となった。
主力の不動産開発収入は3.7%増の1,176億ペソに達した。住宅予約販売額が3%増の1,459億ペソと堅調、依然住宅ブームが続 いていることを反映した結果となった。一方、ショッピングセンター賃貸収入も11%増の220億ペソと二桁増加。2019年にサーキット・マカティなど3つの新しいモール(合計賃貸可能面積21万3千平米)を開業、2019年末のモール賃貸可能総面積は212万平米に達した。オフィス賃貸収入も12%増の97億ペソ、ホテル・リゾート事業収入も19%増の76億ペソと各々二桁増加となった。
ALIは高水準の投資を続けている。近年の設備投資額は、2012年713億ペソ、2013年663億ペソ、2014年833億ペソ、2015年822億ペソ、2016年854億ペソ、2017年914億ペソ、2018年1,101億ペソと推移してきた。2019年の設備投資額も1,090億ペソと高水準、2年連続での1千億ペソの大台突破となった。
なお、ALIはフィリピン初のREIT創設企業となりつつある。ALIは、2020年2月7日、フィリピン証券取引委員会(SEC)へREIT売り出しの申請を行った。具体的には、アヤラランドREIT社株式約4億7,864万株(うち新株約4,786万株)を1株当たり30.05ペソで売り出す。最大約2,393万株の追加オプションが付せられており、この追加オプションがフル行使された場合の総発行額は約150億ペソとなる。ただし、新株発行は4,786万株に過ぎず、大半は既存株式の売り出しであることから、アヤラランドが獲得する新規資本は約14億4千万ペソである。今回の対象となる不動産は、マカティ市の24階建てのソラリス・ワン、アヤラ・ノースエクスチェンジとマッキンリー・エクスチェンジの3つの商業ビルであるが、今後ポートフォリオを拡大させる方針である(20年2月14日のフィリピン証券取引所回覧00921-2020号などより)。