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【フィリピン経済ニュース】清水建設、比で総額1,310億円のインフラ受注

2020年4月14日

清水建設は、4月9日、「共同企業体(JV)を組成し、フィリピンにおいて大規模なインフラ工事を連続受注、受注総額は1千億円超」と発表した。

そのうち、1件はフィリピン運輸省から受注したフィリピン初の地下鉄工事「マニラ首都圏地下鉄事業」の部分開業区間のその1、その2工事で、請負金額はそれぞれ約670億円、約370億円。もう1件は公共事業道路省から受注した「ダバオ市バイパス建設事業」の南・中央区間で約270億円(いずれも税抜)である。前者のJVのパートナーはフジタ、竹中土木、地元のユーチェンコ財閥傘下の建設企業EEI社、後者は地元のUlticon社と竹中土木である。

フィリピンは、東南アジア諸国の中で日本から最も近く、フィリピンの持続的発展は日本や東南アジア地域の安定と発展に欠かせないと見られている。「ODAを効果的に用いることで、経済関係、人的交流等様々な分野で日比関係を強化していく必要がある」という政府方針を背景に、フィリピンにとって日本が最大のODA供与国になっている。安倍総理は2017年1月の訪比の際、5年間で官民併せて1兆円規模の支援を行う旨を表明しており、清水建設JVが連続受注した工事はいずれもその表明に基づく本邦技術活用案件(STEP)である。

マニラ首都圏地下鉄事業は、深刻な交通渋滞の緩和を目的に計画されたもので、首都圏北部ミンダナオ通りとアキノ国際空港が位置する南部ウエスタンビクタンを結ぶ32.4キロメートルの地下鉄区間に、15駅舎と1車両基地を整備する。清水建設JVは、先行して部分開業する6.9キロメートルの区間に、3駅舎(タンダンソラ駅、キリノハイウェイ駅、ノースアベニュー駅)と1車両基地、それらを結ぶ3区間に計6本(上下線各3本)、総延長9.3キロメートルのシールドトンネルを建設する。昨年11月に契約したその1工事には、タンダンソラ駅と車両基地、シールド機の調達と開削トンネル工事が含まれ、工期は67カ月。今般契約したその2工事には、キリノハイウェイ駅、ノースアベニュー駅の主要躯体建設工事及び、シールドセグメントの調達が含まれ、工期は49カ月である。なお、その3工事でシールド工事と2駅の建築設備工事が発注される予定である。

一方のダバオバイパス建設プロジェクトは、ミンダナオ島の交通渋滞緩和、経済・社会発展を目的に計画された、ダバオ市南部シワランから中央部インダンガンを結ぶ全長約30キロメートルのバイパス道路である。うち、受注した工区は、同バイパスの中央部分にあたる全長10.7キロメートルの区間である。この区間には、高さ8メートル、幅10メートル、掘削断面約80平米、長さ2.3キロメートルのトンネル2本、計900メートルの5橋梁(3カ所)、幅員6.7メートル(片側2車線)、延長7.9キロメートルの切盛道路の工事等が含まれる。このJVでは、3社で担当工区を分け、清水建設と竹中土木はトンネル工区、地元企業が土工事・橋梁工事を担当する。工期は37カ月である。

清水建設は引き続き、成長著しいアジアを中心に、大規模で高度な技術力が要求されるインフラ工事や建築工事の受注にチャレンジし、長期ビジョンで掲げたグループの2030年の国内・海外売上利益比率目標(75:25)の達成を目指す。

 

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