2020年8月6日
フィリピン統計庁(PSA)発表によると、2020年7月の総合インフレ率(総合消費者物価指数、2012年=100)は2.7%(速報値)で前月から0.2%ポイント上昇、2020年1月の2.9%以来、6カ月ぶりの高水準となった。しかし、フィリピン中央銀行(BSP)の7月のインフレ予想(2.2%~3.0%)範囲内に収まった。また、年初7カ月間の平均インフレ率は2.5%となり、政府の2020年インフレ目標(2%~4%)圏内で推移している。
交通・輸送費の上昇率が前月の2.4%から6.3%に加速し、7月のインフレ率上昇の要因となった。また、酒類・煙草(19.3%)、住宅・水道・光熱費(0.8%)、外食・雑貨・サービス(2.5%)も前月の上昇率を上回った。一方、食料品では、トウモロコシ(コーン)、野菜、果実、魚類の物価は低下した。米、砂糖・ジャム・蜂蜜・チョコレート・菓子類は7月もマイナス成長を継続した。
7月の特定食品・エネルギー関連品目等変動の激しい品目を除いたコアインフレ率は3.3%で、前月から0.3%ポイント上昇した。7カ月間の平均のコアインフレ率は3.1%であった。
7月の総合インフレ率を地域別で見ると、首都圏(NCR)は2.2%で前月から0.2%ポイント上昇、地方は2.9%と前月から0.2%ポイント上昇した。インフレ率が最も高かった地域は、ビコール(4.2%)、次いで中央ルソン(3.5%)、西ビサヤ(3.2%)。最もインフレ率が低かった地域は、ダバオ(1.2%)、次いで東ビサヤ(1.7%)だった。
なお、フィリピン中央銀行(BSP)発表によると、7月の総合インフレ率2.7%への寄与度は、外食・サービス他0.3%、酒類・煙草0.3%、食品・非アルコール飲料0.9%(うち食品0.9%)、交通・輸送費0.5%、住宅・水道光熱費0.2%、衣料・靴類0.1%、家具・住宅設備管理0.1%、健康・医療0.1%、教育0.0%。一方、年初7カ月間の総合インフレ率2.5%への寄与度は、外食・サービス他0.3%、酒類・煙草0.3%、食品・非アルコール飲料1.0%(うち食品0.9%)、住宅・水道光熱費0.2%、家具・住宅設備管理0.1%、衣料・靴類0.1%、教育0.1%、健康・医療0.1%、交通・輸送費0.0%。