執筆者:ポギ金子
フィリピンで3年間パーソナルトレーナーをつとめてきたラガーマン。フィリピン在住者に、ダイエットやフィットネス、マッスルトレーニングなどを指導していく中で自身が得た知見を本号から本誌にて連載。
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Get Healthy!Be Healthy!Be Beautifully!In the Philippines
どのくらい食べてますか?基礎代謝はどのくらいですか?
すっかりコロナ禍での生活がニューノーマルとなったマニラ在住の方は、外出、運動の機会が減り、太ったと感じている方が多いと思います。このままでは太る一方で何か行動を起こさないといけないのはわかっているけど、下ろし続けた腰を持ち上げるのは容易ではないことです。
人は、行動を起こす前に先のことを予想して、実際に起こるかもわからない出来事を懸念して実行するのを諦めてしまいます。ですが実際には懸念していたような出来事は起こらず、やってみると思っていたより簡単だったという場合がボクの経験上ほとんどです。ダイエットに置き換えてみると、『明日から糖質減らして、走って、筋トレも初めて、フードデリバリーをやめて自炊を始めなきゃ。家に食材ないから買い出し行かなきゃいけないし、あー無理。ダイエットはまたの機会で。』なんて具合に人間、習慣付いていないタスクが降り注ぐと強いストレスを感じてしまいやめてしまいます。習慣というのは連鎖します。ですので、まず1つ何か簡単なことから始めるだけでいいです。
そこでまず始めるべきことは『自分の食べているカロリーを知ること』この段階では食事を制限する必要はなく、ただ自分がどのくらいのカロリーを摂取しているか把握するだけでいいです。新たに運動を始めたりする必要もありません。これを続けると何か食べるたびに、『これどれくらいカロリーあるんだろう?』と調べるようになります。それがストレスなくできるようになれば、次は『アンダーカロリーの状態を作る』すなわち、自分が1日で消費するカロリー以内に摂取カロリーを抑えることです。ここで初めて食べる食材を選ぶ必要が出てきます。と同時に自分がどのくらい1日にカロリーを消費するかを知る必要があります。これは基礎代謝(何もしなくても1日消費するカロリー)+活動量(動いて消費するカロリー)です。基礎代謝はネットで検索し、年齢、体重、身長を入力すれば出ます。このベースのカロリー計算が出来ていれば、夜糖質を抜いたりする必要もありません。
寝る前に糖質が実はカラダにいいの?
ここで1つの疑問について。『寝る前に糖質を摂ると太るのか?』何となく太りそうな印象ですよね。様々なダイエット関連の記事においてもN Gな行為として記されています。私自身も寝る前の糖質は避けてきました。理由はエネルギーを消費する予定がないタイミングでエネルギー源となる糖質を摂取するとそのエネルギーは使われずに寝ている間にエネルギーの貯蔵庫である脂肪細胞へと蓄積され脂肪増加に繋がるためです。では果たして本当にそうなのか?
答えはN Oです。寝る前に糖質を摂っても太りません。太るどころかむしろいい作用があります。寝る前に糖質を切ると少なからず空腹で睡眠に入ることになります。空腹の症状が現れるということはカラダが飢餓だという合図です。結果睡眠が浅くなってしまい疲労が抜けず日中の活動に影響しエネルギー燃焼効率が悪くなります。そこで、寝る前に糖質を摂取することで満たされた状態で睡眠でき、睡眠の質が向上します。ダイエットを短期間でみた場合、空腹で寝るという行為は有効かもしれませんが、先ほど述べた通り飢餓状態であるため長続きはしません。そして1〜2週間の短期間ダイエットで減る体重のほとんどは水分であって脂肪ではありません。体重の数値とともにお腹の脂肪も減らしたい場合は最低2ヶ月程をダイエット期間と設定する必要があります。そうすると鍵となってくるのは『いかに自分を満足させるか』ということ。以上の理由から、寝る前の糖質摂取という行為は自分を満足させるため、カラダを飢餓状態にさせないために必要なのです。
自分のカラダという容器に溢れる量の水を入れなければ、注ぐタイミングをいかように変えようとも溢れることはない、ということです。逆に容器に収まらない水の量を注ぐと、注ぐタイミングにかかわらず、やがて溢れてしまうということ。そして溢れた水は余ったエネルギーとして脂肪となります。ですので、お腹の贅肉を無くしたいと思う場合は、漠然と糖質を取らない、走るという行為をする前にまず、自分の1日で消費するカロリーの把握、そしてそのカロリーを超えない食事。これらを設定する必要があります。ダイエットにおいて糖質は敵ではなく、このアンダーカロリーの設定をめんどくさがっている自分が何よりの敵です。
煩わしく聞こえますが1度やってみるとそんな難しい話ではありません。そして頑張って1週間続けてみると習慣づいて意外と楽に感じるものです。
新着コラム
連載を始めてから約2年が経ちました。現在私の拠点が日本ということもあり、フィリピン現地の情報の取り扱いを専門とされているプライマーさんでの執筆は今月が最終号となります。
当初は7月にボディビル大会へ出場するためにマニラへ行くと宣言していましたが、今回は辞退しました。5月に出場した大阪のボディビル大会へ向けた減量を振り返ると、自分の中でやり切ったと思えなかったので、7月のマニラこそはと思っていたのですが、減量の仕方そのものに問題があったので、そこを見直して余裕を持った期間を設ける必要があると感じました。
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先日、大阪でボディビル大会へ出場してきました。結果は予選落ち。そうだろうなと大会前から思っていたしもし仮に入賞したとしても嬉しくありませんでした。なぜかというと、約3ヶ月半のダイエットを振り返って、やり切ったなと思えなかったからです。
フィリピンから日本へ帰国して一年半が経ちました。早いものです。しかし依然僕は、二度目の春なのに、あったかくなって半パンと薄手のパーカーで出かけて帰り道に凍えて帰ることを繰り返し、季節の移り変わりでの過ごし方に戸惑っています。
そんな生活の中、マニラにいる友人達のSN Sで、常夏のマニラをエンジョイしている姿を、ボディビル大会へ向けて肌を焼くため入っている日焼けマシンの中から羨ましく拝見しています。