技術は素晴らしいが、それと特許の良し悪しは別問題なんです【 Part 2 】
今回は前回の続きの話です。下町ロケットの第二話で、佃社長が初めて神谷弁護士と面談した際に、神谷弁護士が「佃製作所の特許が良くなかった」と指摘しました。
その際、神谷弁護士は、コップというものを発明した場合を例に説明しています。皆さんの身近にも、プラスチックでできていたり、陶器だったり、ガラスだったり、さまざまなコップがありますよね。コップの発明をした場合に、そのような材質や、形状、使われ方を、自らの製品のみに適用される範囲に限定してしまうのは、日本人の技術者が犯しやすいミスの一つです。
この点は、神谷弁護士も「そもそも特許というものは、今までにない発明品なわけですから、どう定義するかが問題になってきます」と言っています。多くの日本人技術者は、今までにない発明品なのだから、きちんとその内容を細かく定義しないといけない、と考えることが多いかと思います。佃社長も「それではだめなんですか?」と質問しています。結論から言うと、自分で発明した内容を、そのまま他人に実施されるケースは、最近ではあまり多くありません。
東南アジアや中国の模倣品の製造者ですらも最近は非常に高度化してきていて、劇中のナカシマ工業のように、少し変えた内容で偽物品を作ってきます。このような状況下で、「特許を取っているから安心」という訳にはいきません。折角取得しても、特許に穴がある場合は、その穴を付いてくると考えた方が無難です。そのため、偽物品が横行しやすい東南アジアでは、特許を出願した後のフォローアップが重要になってくるのです。
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