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フィリピンの格付・見通しの引き上げ続く

2020年2月12日

欧州系の国際的格付機関フィッチ・レーティングス(フィッチ)は、2月11日、「フィリピン共和国(フィリピン)の外貨建ておよび自国通貨建て長期発行体デフォルト格付(IDR)、外貨建ておよび自国通貨建て無担保優先債券の格付をトリプルB(BBB)に据え置くと発表した。

格付自体に変更はなかったが、フィッチは、格付アウトルック(見通し)をこれまでの「ステーブル(安定的)」から「ポジティブ(強気)」に引き上げた。格付アウトルックの「ステーブル」は、「格付自体の当面の変更の可能性が薄い」という意味であり、「ポジティブ」は「近い将来に格付自体の引上げの可能性がある」という意味である。フィッチは、有力格付け機関の中ではフィリピンに対する評価が比較的厳しいものであったが、最近はその評価が強気になりつつあるといえよう。

日本の格付投資情報センター(R&I)は、2月7日に、フィリピン格付に関して、外貨建発行体格付を現行の「トリプルB(BBB)」から一段階引上げ、「トリプルBプラス(BBB+)」にすると発表した。フィッチより一段上の格付であり、投資適格最低基準「トリプルBマイナス(BBB-)」の2段階上のステータスである。格付アウトルックは「ステーブル」とされた。

なお、日本格付研究所(JCR)は、既に2015年7月にフィリピン格付を「トリプルBプラス」に引き上げ、2019年4月には格付見通しを「ポジティブ」へと引き上げた。すなわち、A格付が明瞭に視野に入ってきたといえる。また、世界三大格付機関の一つである米系のスタンダード&プアーズ(S&P)は、2019年4月30日、フィリピンの格付を「トリプルBプラス」に引き上げた。

このように、近年、有力格付機関が、フィリピンの格付や格付見通しを相次いで引き上げている。そして、待望のA格付が視野に入って来ている。現時点で、最もA格付けに近いのは、日本格付研究所の格付「トリプルBプラス」、格付アウトルック「ポジティブ」という組み合わせである。

 

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