2020年2月6日
フィリピン自動車工業会(CAMPI)など工業会加盟企業、自動車輸入販売企業協会(AVID)加盟企業、非加盟独立系企業の合計から重複加盟分(フォードなど)を調整した2019年のフィリピン新車総販売台数は前年比3.7%増の約41万6,640台に達したと見られる。
2018年は車両税改定(大半の車種が増税)にくわえ、インフレ率上昇による実質購買力の低下、金利上昇の影響などで前年比15%減と低調であった。2019年はそれとの比較では回復という結果となったが、当初の10%増という目標には及ばなかった。
2019年のブランド別総販売首位は、ブランド別総販売首位は、トヨタの16万1,395台(シェア38.7%)で依然断トツであった。そして、第2位が三菱自動車の6万4,065台(シェア15.4%)、第3位が日産自動車の4万2,694台(シェア10.3%)、第4位が現代自動車の3万3,762台(シェア8.1%)、第5位がスズキの2万3,919台(シェア5.7%)、第6位がフォードの2万1,900台(シェア5.3%)、第7位がホンダの2万0,338台(シェア4.9%)、第8位がいすゞの1万3,971台(シェア3.4%)、第9位がMGの5,085台(シェア1.2%)、第10位が起亜の5,019台(シェア1.2%)と続く。
2019年の個別車種販売台数ランキングは、1位がトヨタ・ヴィオス(コンパクトセダン)3万3,181台であった。そして、2位がトヨタ・ハイラックス(ピックアップトラック)2万0,846台、3位がトヨタ・イノーバ(MUV)2万0,794台、4位がトヨタ・フォーチュナー(SUV)1万9,865台であった。すなわち、トヨタが首位から4位までを占めた。
5位は三菱エクスパンダー(クロスオーバーMPV)1万9,089台、6位が日産ナバラ(ピックアップトラック)1万9,034台、7位がトヨタ・ハイエース(バン)1万8,656台、8位がトヨタ・ウイゴー(ミニハッチバック)1万8,183台、9位が三菱ミラージュG4(コンパクトセダン)1万7,835台、10位がトヨタ・ラッシュ(コンパクトSUV)1万5,172台と続く。
このように、1位から10位まで日本車となり(トヨタが7車種、三菱自動車が2車種、日産自動車が1車種)、2017年から3年連続での日本車ベスト10独占となった。ちなみに、2016年についてはフォード・エベレストが8位、現代アクセントが10位で、日本車は8車種がベストテン入りした。
なお、トヨタ・ヴィオスと三菱ミラージュ(ハッチバックと4ドアセダンの合計)は、フィリピンでの自動車生産・販売の拡大を促し産業振興を支援するための「包括的自動車産業振興戦略」(CARS)プログラムの対象車種である。このCARSのもとで、フィリピン政府は総額270億ペソの期間限定・成果型の優遇措置を講ずる。1車種につき6年間で20万台以上生産、すなわち年間平均3万3千台以上生産することが条件となっている。