2020年10月5日
フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2020年9月末終値は5,864.23ポイントとなり、前月末と比べて0.34%下落、月間ベースで3カ月連続の下落となった。
9月は、月間ベースで3カ月連続の下落となった。経済活動は一部再開されつつあるものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の長期化への懸念、マニラ首都圏等での地域隔離措置レベルの据え置き、発表が出揃った上半期の企業業績がかなり悪いこと、外国人が売り越しを続けていることなどが響いている。
フィリピン株式市場への上場企業数は約260社に過ぎず、主力は、銀行、不動産、それらを統括する持株会社であり、主要国市場での回復の牽引役になっている有力なハイテク株やバイオ・医薬品株がほとんど見当たらない。したがって、買い材料不足、手掛かり難で、活気に乏しい薄商いが続いた。9月8日に6,000ポイントの大台を回復したが、長続きせず、5,000台での推移となっている。
2020年年初9カ月間では、PSEiは24.96%の下落となった。世界的な新型コロナ拡大やその対策としての地域隔離措置発動などで、3月に一時4,000ポイント台まで下落した後、地域隔離措置緩和などで反発基調となり、6月と7月の大半は6,000ポイント台で推移したが、8月、9月の大半は5,000ポイント台で推移した。
9カ月間の大分類セクター別指数動向については、軒並み下落。下落率の大きい順に、金融株(-38.73%)、不動産株(-34.04%)、鉱業・石油株(-27.02%)、持株会社株(-20.20%)、工業株指数(-18.00%)、サービス業株(-5.04%)となっている。金融株が引き続き下げを主導している。