2020年6月23日
フィリピンにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の確認例は、6月22日新たに630人増加し、22日現在で、累計3万0,682人に達した。ASEANでは、インドネシアの4万6,845人、シンガポールの4万2,313人に次ぐ第3位。
死者は22日に8人増加し、累計で1,177人に達した。現時点での死亡率は3.8%と依然高水準。一方、感染後の回復者数は累計で8,143人。死亡率では、ASEAN主要国のなかで、インドネシアの5.3%に次いで高い。両国とも人口が多いわりに検査実施件数やその結果としての感染確認数が依然少ないという要素を考慮する必要があるが、医療体制の整備という点でも問題がありそうだ。
一方、フィリピン政府通信社によると、フィリピン外務省(DFA)は6月22日、在外フィリピン人(OF)のCOVID-19感染者が合計8,301例に達したと報告した。DFAデータに基づくと、中東及び欧州での感染確認例が増えている。世界46カ国・地域における在外フィリピン人(OF)の感染者8,301人のうち、回復者が5,055人、治療中が2,740人、死者は506人。死亡率は6%(前週は7.7%)に低下した。
人口1億人強のフィリピン人の1割は海外で就業とも言われており、COVID-19感染拡大が続く米国、欧州、中東で就労しているOFが多い。COVID-19で失職したOFの帰国ラッシュが続いており、フィリピン国内での新たな感染源となる懸念もある。
これまでに、COVID-19で帰国したOFは3万人、そのうち感染者は600人とも報じられている。外国人に対しては厳しい入国制限措置を講じているが、自国民の帰国を拒否することは出来ない。年内に、数10万人のOFが帰国するとの見方もあり、大きなリスクファクターとの見方もある。