2021年2月2日
トヨタ自動車のフィリピンの生産・販売拠点であるトヨタ モーター フィリピン(TMP)は1月30日、「2021年第4四半期にバタンガス輸入・ロジスティクスハブを稼働させる」と発表した。
TMPは、バタンガス州バタンガス港の隣接地に45億ペソを投じて、敷地面積32ヘクタールの輸入・ロジスティクスハブを新設しつつある。このハブは、車両の出荷前点検と保管に使用され、年間処理能力は16万台に達する。また、一度に4,500台の収容可能な保管機能を有している。
近年、TMPの販売台数は大幅増加しており(2020年は新型コロナウイルスの影響で減少)、輸入車や現地生産車の保管、出荷前点検などの機能を有する大型物流ハブの新設が必要になってきている。特に、輸入車は全販売台数の60%以上を占めており、増加する輸入車の扱いという観点からも新拠点が必要となってきている。
なお、フィリピン貿易産業省(DTI)は、1月4日、輸入自動車の増加が国内自動車業界に深刻な損害を与えるとして、乗用車及び小型商用車に対しセーフガード(緊急関税制度)暫定措置を発動する方針を表明した。セーフガード措置の賦課は、輸入乗用車1台につき7万ペソ、輸入小型商用車1台につき11万ペソになるとも発表されている。
TMPは、現地生産車と輸入車双方を販売している。輸入車比率が60%以上と高いが、今後はセーフガード措置の影響を緩和するためにも、現地生産車であるヴィオス(サブコンパクトセダン)とイノーバ(多目的車)の販売促進に注力する方針である。
なお、TMPの2020年の総販売台数は前年比38%減の10万0,019台(トヨタブランド9万9,545台、レクサスブランド474台)であった。そのうち、現地生産車はヴィオスが2万5,290台、イノーバが1万0,551台で合計3万5,841台であった。すなわち、現地生産比率35.8%、輸入車比率64.2%であった。ちなみに、2018年の輸入車比率は71%、2019年は66.3%であった。