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第11回 フィリピン・ビジネスパーソンインタビュー / Ray Refundo

お馴染みのフィリピンで活躍中のアノ人に直撃!日本人以外にもフィリピンには注目のキーパーソンが多く暮らしています。そこで、国籍問わず活躍中のビジネスパーソンにもフィリピンにおける「いろは」を語ってもらうコーナーがスタート!

Qwikwire Billing Systems Inc. Founder and CEO/創設者・最高経営責任者
Ray Refundo レイ・レフンド 

国際決済サービスを提供するQWIKWIREは数々の受賞歴を持つスタートアップ企業であり、その強みは世界中にある支払機関との強いネットワークからなっています。世界中の銀行とパートナーシップを結ぶなど、戦略的なアプローチでビジネスチャンスを常に模索する創設者でありCEOのレイ・レフンド氏にお話を伺いました。

 

編集部

 

フィンテック産業に関わってどのくらいになりますか?

 

Ray Refundoさん

 

この会社では約5年になります。12~15年ほど前、別のファイナンス・テクノロジー会社を持っていました。MoneyTranと言うオンライン送金サービス会社です。しかし、上手くいかず廃業。その10年後、QWIKWIREを創立しました。ですので、この業界にはトータルで15年間、身を置いている言うことになりますね。私はフィリピンで生まれ、フィリピンで育ちましたがカリフォルニアの大学へ進学しました。そこで様々な影響を受け、現在の私があります。

 

 

編集部

 

QWIKWIREのようなスタートアップ企業はどのようにビジネス展開してゆくのでしょうか?大企業と比べてどんな違いがありますか?

 

Ray Refundoさん

 

より迅速さが要求されますね。意思決定は早いですよ。ミスも多くなりますが、それが逆に良い所です。従業員は、リスクを伴った決断も許可されています、特に最初はね。スタートアップ企業のゴールは「大企業になること」です。ほとんどのスタートアップ企業は、最高執行責任者(COO)を持たずにスタートします。企業が成長し、運営活動が多忙になった時、COOは選任されます。当社ではまだCOOはいません。現在はマーケティング、セールス、商品開発関連の業務をたくさんこなしています。

 

 

編集部

 

同業者との違いは?

 

Ray Refundoさん

 

違いの一つに、我々はフィリピンで営業する“アメリカ企業”であることが挙げられます。アメリカ合衆国財務省の許可を受けており、アメリカ国内をメインに提携銀行を世界中に持っています。アメリカの銀行は非常に洗練されており、世界中で運営することが可能です。当社はそれを利用することが出来るので、世界中ほぼすべての銀行口座と繋がることが出来ますし、思いつくすべてのクレジットカードを使うことが出来ます。我々の最大の強みは、我々のインフラです。つまり、銀行のネットワークです。フィリピンの銀行は我々と同様のネットワークを持っていません。また、当社は電子小切手を最初に導入した企業でもあります。我々が知る限り、このサービスを提供さえしていない国もあります。

 

 

編集部

 

紹介したい実績はなどありますか?

 

Ray Refundoさん

 

我々は新しいプロジェクト、AQWIRE(アクワイア)を立ち上げました。QWIKWIREのサービスとは異なります。我々は、不動産開発業者が持つ問題に気付きました。それは海外のバイヤーへのアクセス。私たちがしたいことは、海外のバイヤーが世界中のどこからでも、不動産を簡単に買える市場を作ることです。国際不動産の市場作り、と言った感じでしょうか。
現在、海外の不動産取引をするのは容易ではありません。どこから始めたらよいのか分かりませんし、不動産取得には、国ごとに違いがあります。その違いを乗り越えた後もなお、取得までに数か月かかります。我々がしたいことはこのプロセスを簡素化すること。これで、仲介業者、不動産開発業者が外国人のバイヤーに売りやすくなります。

 

 

編集部

 

今まで、どのような課題がありましたか?

 

Ray Refundoさん

 

現在最大の課題は我々の大きさ、拡大能力です。2018年6月、1か月の取引額は150万ドルに達しました。9月までには1か月当り、200万ドルに到達できるはずです。課題として我々は1か月あたり、700万ドルに達することも可能なのですが、大きな支払いをいくつも逃してしまいます。なぜなら、1つの取引につき、2万ドルという上限があるからです。我々は技術やインフラが十分でない、ということを言っているのではありません。銀行、不動産開発業者の両者から十分な信頼を得て、フル稼働するところまで持っていくことが必要ということです。私はFlywireの創業者と話をしました。Flywireは大手国際決済サービスの一つです。彼は「多くの課題点は1年間の取引量ではなく企業の大きさによって解決され、企業が大きくなるほどクライアントを得やすくなる。最初の5年間が鍵となる。」と言いました。現在我々はトークンセールを通して、1500万ドル集めているところです。これにはAQWIREフィリピン国外の資金調達も含まれます。

 

 

編集部

 

QWIKWIREの今後のプランは?

 

Ray Refundoさん

 

AQWIREのプラットホームが確立し、成長した際にはQWIKWIREがそのAQWIREの支払いシステムとして必要になってきます。AQWIREが大きくなるほど、QWIKWIREにとっても良いわけです。これを成長させることが今後2、3年内に必要です。我々はシンガポールに取引先がありますが、シンガポールでは市場開拓をしませんでした。なぜなら、このお客様は以前フィリピンにいて、シンガポールに移転したからです。我々は来年初頭にタイ、アラブ首長国連邦、アメリカに事務所を設立する予定です。

 

 

編集部

 

QWIKWIREの経営スタイルは?

 

Ray Refundoさん

 

完璧ではありませんでした、特に最初の頃は。沢山失敗もしました。私の経営スタイルですが、私はチームに、大きな目的を告げます。どうやってそれに達成するのかはチームが考えます。やり方は教えません。結果をもたらせば、彼らのやり方でOKです。例えばマーケティング。私は、マーケティングはよく分かりません。ですから、分かる人の考えを尊重します。彼らに質問したりもしますが、実際行動を起こすのは彼らです。彼らは、私の許可もいりません。ただ、何をやったかを報告するだけです。

 

 

編集部

 

尊敬する人は誰ですか?

 

Ray Refundoさん

 

Elon Musk氏ですね。彼は、“リスク、何でも請け負う”タイプの人ですけど、私はリスクにチャレンジすることを信じています。安全な運営では大きくなれません。リスクを回避する人は、フィンテックスタートアップ企業としての居場所はないと言えるでしょう。

 

 

編集部

 

CEOとしてのレフンド氏に、最も影響を及ぼしたものは何ですか?

 

Ray Refundoさん

 

それは指導です。私は運が良かった、自分より知識のある人たちから、助言いただいたのですから。スタートアップ企業コンサルタント社のBrainsparksからは、QWIKWIREが持続的に成長できるよう、沢山の助言をいただきました。助言や投資家が必要だった時、彼らはそこにいてくれました。

 

 

編集部

 

座右の銘は?

 

Ray Refundoさん

 

“お客様第一、従業員はその次、最後に株主。”-ジャック・マー氏。私は人に安心感を与える事が大切だと思っています。“雇用には時間がかかるが、解雇は早い”と言うタイプではありません。業績の悪い従業員を解雇したり、従業員同士で競争させたりもしません。そういった環境を我々は望んでいません。従業員はミスすることも許されています。彼らは自由に決断することが出来ます。私自身、沢山のミスを犯してきました。当社ではミスしたからと言って、叱られたりしません。なぜなら、私自身、何が正しいのか分からないのですから。ポイントはそれらのミスから学び、成長することです。皆さんにお伝えできる最大のアドバイスと言えばそれは人脈の大切さです。スタートアップ企業に対するアドバイスはたくさんありますが、人脈作りは過小評価で見過ごされていると思います。成功は人々がもたらします。あなた自身の人脈の大きさ、強さのみがもたらしてくれるのです。沢山の人を知れば知るほど、紹介のチャンスが増え、道が開けてゆくのです。ネットワーキングイベントで我々は、最高の従業員と投資家、お客様に出会うことが出来ました。

 

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Ernani Omar Cruzさんは医療保険管理システムを運営する「S t a s h 」のCEOだ。国際的なIT企業や金融、航空業界など様々な業界の大企業で働いた経験を生かし「Stash」を創立。
Ryan K. Cruz氏はRamen Yushoken(優勝軒)、Mendokoro Ramenba(麺処ラーメンバー)、Kazunor(i 和徳)というメトロマニラで名高い3つの日本食レストランの経営者だ。
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