2020年2月3日
ヤクルトは、アジア・オセアニア地域においては、フィリピン、香港、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、インド、中国などで乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」などを製造、販売している。2019年8月には、ミャンマーで「ヤクルト」の製造販売を開始し、ヤンゴン市を中心に販売を開始した。ミャンマーが加わったことで、日本を含む40の国と地域に販売網が拡大した。
フィリピンでは、ヤクルト本社が40%出資するフィリピン ヤクルト(持分法適用会社)が、1978年10月から営業を行っている。すなわち、昨年40周年を迎えたのである。ヤクルトの海外発売時期としては、1964年の台湾、1968年のブラジル、1969年の香港、1971年の韓国とタイに次ぐ歴史を有している。現在は、ヤクルトとヤクルトライトを製造販売している。
フィリピン ヤクルトの2018年末の従業員数は1,394人、ヤクルトレディは3,623人、取引店は16万5,546店、工場はラグナ州カランバ市に立地している。日本と同基準の厳しい品質管理の下に製造された「ヤクルト」を1本約20円という低価格で販売している。「ヤクルト」は、医薬品を購入する余力のない低所得層にとって安価な栄養食品であり、庶民の強い味方として知名度も高まっている。需要増に対応すべく、ミンダナオ島に第2工場を建設しつつある。
1月31日発表のヤクルト本社の決算補足説明資料によると、2019年1月1日~12月31日のフィリピンヤクルトの一日当り販売数量(速報値)は前年同期比3.5%増の319万6千本に達した。海外市場では中国の760万9千本、インドネシアの636万6千本、メキシコの383万2千本に次ぐ世界第4位で、韓国の309万2千本を上回っている。
フィリピンの前年同期比3.5%増という前年比伸び率は、ベトナムの40.3%増、米国の10.8%増、インドの9.9%増、インドネシアの9.2%増、中東(5カ国合計)の7.7%増に次ぐ6位であった。ただし、ベトナム、米国、インド、中東は売上規模が小さく、1日当たり100万本以上の規模の主要市場においては 、フィリピンはインドネシアに次ぐ2位の伸びを示した。
フィリピンでは、2011年から9年連続で販売本数が増加、そのうち2014年から2018年までは5年連続の二桁増加という成長を見せた。2019年は一桁増へと鈍化したが、、上記のように世界の主要市場でトップクラスの伸び率を継続している。2007年に1日当たり販売本数が100万3千本と百万本の大台突破、2015年に同213万9千本で二百万本突破、2018年は同308万8千本で三百万本台突破と順調に拡大してきている。