2019年8月9日
唯一の二桁増加、世界17位(前年20位)、ASEAN2位
キリンホールディングス(キリン)は、インターネット上の仮想大学「キリンビール大学」を運営している。これは、ビールの楽しさ・奥深さを顧客に伝えるべく2001年7月に開講したもので、おいしいビールの飲み方から、ビールに関する興味深いうんちくまで、さまざまな学部・施設があり、24時間365日通学できる。
今回、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき、計171の世界主要国および各地域について、2018年のビール生産量をまとめた。この調査は1974年分から統計を開始している。2018年の結果は以下のとおり。
1.2018年の世界のビール生産量は前年比0.6%増、5年ぶりに増加
2018年の世界のビール生産量は、前年より約109万キロリットル(kl)増(前年比0.6%増)の約1億9,110万klとなった。東京ドームをジョッキに見立てると、約154杯分(東京ドーム1杯分は約124万kl)に相当する。
前年からの増分109万klのうち、およそ9割をメキシコ(前年比8.8%増、約97万kl増)が占める。ロシア(前年比4.1%増、約31万kl増)、フィリピン(前年比11.0%増 、約22万kl増)なども世界の生産量の増加に寄与。
2.地域別生産量
地域別では、アジア(前年比1.4%減、構成比32.0%)が10年連続トップ。2位ヨーロッパ(前年比2.1%増、構成比27.3%)、3位の中南米(前年比2.9%増、構成比19.3%)と5位のアフリカ(前年比1.7%増、構成比7.4%)などは増加。
生産量上位国中国(前年比2.2%減)や、日本(前年比2.7%減)、ベトナム(前年比1.7%減)が減少したが、インド(前年比4.9%増)やフィリピン(前年比11.0%増)が伸長し、アジアが10年連続でトップとなった。
3.国別生産量
国別では、中国(前年比2.2%減)が17年連続でトップ、アメリカ(前年比1.7%減)、ブラジル(前年比1.0%増)と続く。日本(前年比2.7%減)は昨年同様の7位。フィリピンは前年比11.0%増の222万kl、4年連続でプラスとなり昨年の20位から17位と順位を上げた。ASEANでは、ベトナムの430万kl(世界8位)に次ぐ第2位となっている。また、11.0%増という伸び率は、上位25カ国で唯一の二桁増加、断トツ(2位はメキシコの8%増)となっている。2017年も7.9%増と好調であったが、2018年は生産量増加ピッチに拍車がかかった。
4.10年前との比較
2018年の世界のビール生産量を10年前と比較すると、約878万kl(4.8%増)の増加となった。
増加量ではブラジル(約380万kl増)、ベトナム(約285万kl増)、メキシコ(約125万kl増)と続き、ベトナムにおいては、10年前の生産量と比較し約3.0倍に伸長と、大きく成長している。フィリピンも10年前から89万kl、率にして67%増加、世界順位も2008年の28位から17位へと大幅に増加している(19年8月8日のキリン・ホールディングスニュースリリースより)。