石油製品販売大手フェニックス・ペトロリアム・フィリピンズ(PNX、本社:ダバオ市、フィリピン証券取引所{PSE}上場)による「フィリピンファミリーマートCVS社」(PFM)買収が、1月11日までに完了した。
2012年、ルスタンで知られる高級小売り企業のSSIグループ(SSI)とアヤラグループ(アヤラランドの100%子会社ALIキャピタルを通じて)との折半合弁企業であるSIAL CVSリテイラーズ社(SIAL)は、日本の株式会社ファミリーマート(ファミマ)、伊藤忠商事とともに、フィリピンにおけるファミリーマート店舗の展開を目的に、「フィリピンファミリーマートCVS社」(PFM)を設立した。PFMへの出資比率はSIAL60%、ファミリーマート37.6%、伊藤忠商事2.4%であった。SIALはSSIとアヤラグループの折半合弁企業であることから、SSIとアヤラグループのPFM出資比率は各々30%であった。
フィリピンファミリーマート1号店は、2013年4月にマニラ首都圏マカティ市にオープンした。店舗網は2015年前半までは順調に増加、2015年5月に100店の大台、2015年末には120店に到達した。ただし、業界の競争激化や出店政策の見直しなどにより、2015年後半以降は出店ピッチが急鈍化、2016年から減少傾向となっている。2017年12月末の店舗数は66店(日本側発表数字、以下同様))で、前年同月末の99店から33店減少、ピークの2015年末の120店からは54店、率にして45%減少となった。
このような状況下において、PNXは2017年10月、「SIAL、ファミマ、伊藤忠商事からPFM全株式(100%)を取得するとの覚書を締結した」と発表した。PNXによるPFM株式100%取得はフィリピン競争委員会(PCC)の承認が前提であるが、PCCは1月3日、PNXによるPFM株式100%取得を承認した。そして、PNXによるPFM完全買収が実現した。ファミマはフィリピンでのコンビニ出資・運営からは撤退することになった。また、SSIとアヤラグループも比ファミリーマート事業から撤退。ファミマは、PFMとの間で2018年1月末にも新ライセンス契約を締結、フィリピン事業をライセンス展開へと転換する計画である。