南米料理がフィリピンで広まった背景には、フィリピンの国際的な食文化の多様化が挙げられます。近年、フィリピンは観光地としての人気が高まり、多くの外国人観光客や留学生、駐在員が訪れています。彼らのニーズに応えるべく、様々な国の料理が導入されており、その中には南米料理も含まれています。南米料理は独特な味わいやスパイシーさ、そしてフレッシュな食材の使用などが特徴であり、フィリピンの食文化に新たな魅力をもたらしています。

また、南米料理の人気の理由の一つには、その豊かなバラエティがあります。南米には様々な国があり、アルゼンチン、ブラジル、ペルーなど、それぞれの国が独自の料理スタイルや味付けを持っています。フィリピンの人々はこれらの多様な南米料理を楽しむことができるため、食の幅が広がり、新たな味覚の発見ができます。

【南米料理の代表的なメニュー】

1．アルゼンチン料理

■アサード（Asado）:

グリルで焼かれたアルゼンチンスタイルのバーベキュー。牛肉や豚肉を低温でゆっくりと焼き上げ、ジューシーな味わいが特徴です。基本的に塩で味付けしますが、ビネガーやハーブを使うこともあります。

■エンパナーダ（Empanada）:

パイ生地で包まれた具材を揚げたり焼いたりした料理。ひき肉や野菜、チーズなどが一般的なフィリングとして使用されます。アルゼンチンを代表する料理として知られていますが、スペイン発祥とも言われており、実は、フィリピンでも広く浸透しています。

2．ブラジル料理

■シュラスコ（Churrasco）:

ブラジルのバーベキュー。鉄串に肉や野菜を刺して、炭火でじっくりと焼き上げる料理。パイナップルを焼いて食べるのもブラジル流。

■フェイジョアーダ（Feijoada）:

ブラジルの国民的な料理であり、黒豆とさまざまな肉（豚肉、ソーセージ、牛肉など）を一緒に煮込んだシチューです。一般的には白米やオレンジ、クサンタンなどが添えられて供されます。

3．ペルー料理

■セビーチェ（Ceviche）:

生の魚介類をレモンやライムのジュースでマリネした料理。新鮮な魚介の風味と酸味が特徴で、タコやエビ、魚などが使用されます。玉ねぎやコリアンダー、ホットペッパーが加えられることもあります。

■ロモ・サルタード（Lomo Saltado）:

牛肉や野菜を炒めた料理で、中国系移民の影響を受けています。肉と野菜がジューシーに炒められ、ご飯やフライドポテトと一緒に提供されます。

フィリピンでも都市部では、南米料理レストランがあり、本格的な南米料理を楽しむことができるほか、南米料理にインスパイアされたフュージョン料理を楽しむことができるレストランがたくさんあります。