パナソニックのフィリピンにおける製造・販売拠点であるパナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンズ(PMPC、会計期末3月)は、このほど、2017年度(2017年4月~2018年3月)上半期(2017年4月~9月)の事業報告書を公表した。
近年急上昇を続けてきたPMPCの今上半期は、非常に好調であった前年同期との比較では減益となり、業績上昇トレンドは一服となった。ただし、中期的な上昇トレンドは崩れていないとの見方が多いようだ。
今上半期の売上高は前年同期比0.4%増の53億1,438万ペソと小幅増加にとどまった。前年同期はエルニーニョ現象に伴う少雨高温という気候が追い風となりエアコンの売上高が絶好調であり、それとの比較では伸び悩みという結果となった。ちなみに、エアコンの売上高は前年同期比0.3%減少した。また、電話機の売上高も同7%減少した。
売上高が伸び悩む一方、ペソ安に伴う輸入原材料費値上がりなどにより、製造コストは同8.0%増の40億7,898万ペソに達したことで、粗利益は同18.6%減の12億3,539万ペソにとどまった。販売費を同22.9%削減したが、一般管理費は同13.8%増加した。これらにより、純利益は同44.1%減の1億5,012万ペソにとどまり、同81%増益と絶好調であった前年同期との比較では大幅減益という結果となった。
PMPCの業績は、2000年代の一時期の低迷期を抜け出て、2010年代は下表のとおり上昇トレンドを続けてきた。2016年度の純利益は2011年度に比べ9.2倍へと急拡大している。PMPCは先頃、主力の家電製品中心に拡販やシェア拡大を図ることで、年率20%の増収を続け、2018年度の売上高を2014年度比倍増の140億ペソ超とすることを目指すと表明している。特に、インバーター技術活用のエアコンや洗濯機の拡販を図っていく方針である。